キッチンに食洗機を設置する場合は、蛇口に分岐水栓を取り付けて水を取るのが一般的です。
設置工事込みで食洗機を購入した場合は、購入先が設置までしてくれます。しかし、誰かから譲ってもらったり、本体だけを購入したりした場合は自分で設置しなければなりません。
そこで、「分岐水栓は自分で取り付けできるのか?」という問題に直面します。果たして、分岐水栓は自分で取り付けできるのでしょうか?

結論から言えば、ほとんどの場合は自分で取り付けは可能です。
ここでは、分岐水栓の選び方と取り付け方法、取り付ける際に注意すべき点について説明します。

食洗機用の分岐水栓はほとんどの場合は自分で取り付け可能

水道工事は、原則として自治体が指定した業者に頼んで行わなければなりません。
しかし、蛇口に分岐水栓をつける程度の工事であれば、特に申請は必要ありません。

分岐水栓の取り付けはそれほど難しい工事ではありませんので、DIYで取り付けは可能です。
ただ、水道工事にはリスクはつきものです。

水漏れや破損など、重大なトラブルを招いてしまう可能性も大いにあります。
DIYで取り付けをする場合は、工事費などの価格は抑えられますがリスクはすべて負わなければならない、ということだけは忘れないようにしましょう。

賃貸の場合は条件付きで可能

賃貸住宅の場合は、自分でするにせよ業者に頼むにせよ、取り付ける前にまず管理会社や大家さんに確認しましょう。
勝手に工事をしてなにか不具合がおきた場合、損害賠償を請求される可能性があります。

事前に確認することでトラブルは回避できますので、手間ではありますがやっておいた方が賢明です。
また、取り付け可能の許可が下りても、制約がある場合があります。

このあたりは、取り付ける前にお互いよく確認しておきましょう。

自分で取り付けできない場合もある

さまざまな問題で、分岐水栓が取り付けできないケースがあります。

取り付け不可能な蛇口がついている

現在ついている蛇口に対応した分岐水栓が無ければ、食洗機を自分で取り付けするのは非常に難しいです。
また、浄水器付きの蛇口では配管が干渉して分岐水栓が取り付けできない場合があります。

止水栓に直接つなぐ方法で設置できる場合もありますが、シンクに穴をあける工事が別途必要になる場合が大半で、分岐水栓の取り付け難易度が格段に上がります。

よくわからない場合は、メーカーや購入業者、または水道工事の専門業者などに購入前に聞いておくと、食洗機を買ったのに取り付けできないという失敗を減らせます。

蛇口が古く破損の可能性がある

蛇口そのものが古く、サビが出ていたりねじ山がつぶれていたりする場合、蛇口そのものを破損させてしまうかもしれません。
また、蛇口が痛んでいるということは、そこに至る水道の配管にもダメージがある可能性があります。

蛇口だけが破損した場合は、費用はかかりますが蛇口交換だけで済みます。
しかし、万が一あやまって水道管を破損させてしまうと、大掛かりな修繕工事が必要になってしまいます。

蛇口が古く取り付けに不安がある場合は、水道工事の専門業者に見てもらい、分岐水栓の取り付けができるかどうか確認するのが良い方法です。

分岐水栓の選び方

いざ作業をしようとしても、その分岐水栓が蛇口に合わなければ、どう頑張っても取り付けは不可能です。
型番などを事前によく確認し、間違いのないように準備することが大切です。

蛇口の品番を調べる

蛇口の裏側などに、メーカー名と型番が書いてあるシールが貼ってあります。

メーカーと型番がわかれば、その蛇口に対応した分岐水栓を購入して準備しておきましょう。
対応した分岐水栓は、インターネットを使えば割と簡単にわかります。

わからなければメーカーに聞く

メーカーは解るけれど型番がわからない場合は、メーカーのホームページを確認してお客様サポートやヘルプデスクに聞いてみれば、早くに解決する場合があります。
メーカー名も型番もわからないときは、「株式会社ナニワ製作所」のホームページを利用してみてください。

写真を数枚撮ってメールで送れば、対応する分岐水栓を調べてくれるという便利なサービスがあります。
どの分岐水栓を買えばよいかわからない場合は、このホームページをぜひ活用してみましょう。

分岐水栓の取り付け方法

ここでは、自分で分岐水栓を取り付ける方法について、順を追って説明します。

まずは準備をする

何をするときでも事前の準備が一番大切です。
失敗を防ぐためにも、念を入れて備えておきましょう。

必要な工具をそろえる
蛇口の取り外しを行うためには、工具は必ず必要になります。

下記のものは必ず準備しておきます。

また、万が一水が大量に出てきたときに備えてバケツやぞうきんを多めに準備しておいた方が良いでしょう。

水の元栓を閉める
工具を揃えたら、蛇口に手を付ける前に必ず止水栓や元栓を閉めます。
蛇口をはずして作業するので、止水栓や元栓を閉めていなければ水を止める方法がなく、大惨事になってしまいます。
止水栓か元栓を閉めることだけは、作業する前にかならず忘れないように注意してください。

多くの場合、止水栓はシンクの下についていますのでそこを閉めておきます。
水とお湯の2カ所についている時は、両方とも忘れず閉めましょう。

もし見当たらなければ、水道メーター付近のすべての元栓を閉めます。
ただし、元栓を閉めた場合は家中の水道が使えなくなります。

トイレにも水が来ずに流れなくなりますので、作業中は注意が必要です。

スマホを用意する
作業中、どの部品がどこに付いていたかわからなくなる可能性があります。
それを防ぐためにも、作業をしながらスマホで写真を撮るのがお勧めです。
わからなくなったときに写真を見返すことができるので、不安が減り作業性も向上します。
ぜひ取り入れてみてください。

水栓の種類別取り付け方法

準備がすべて終わったら、分岐水栓の取り付け作業を始めていきます。
ここからは、水栓の種類別に取り付け方法を説明していきます。

シングルレバー水栓の場合

水やお湯を出すレバーが一つだけついているタイプの蛇口が「シングルレバー水栓」です。

取り付けの手順は次の通りです。
(1) レバーハンドルを外す
(2) ハンドル下のカバーナットを工具で外す
(3) 蛇口の中の部品を取り外す
(4) 分岐水栓を取り付ける
(5) 外した部品を元の位置に取り付ける

蛇口によって、ねじの位置や分解方法がそれぞれ違います。
分岐水栓には取扱説明書が付属していますので、よく目を通してその都度確認しながら作業を進めましょう。

ハンドル混合水栓の場合

お湯と水のハンドルがそれぞれに付いていて、吐水口が一つになっているタイプの蛇口が「ハンドル混合水栓」です。

取り付けの手順は次の通りです。
(1) 水またはお湯のハンドルを外す
(2) ハンドル下のカバーナットを工具で外す
(3) 蛇口内部の部品を取り外す
(4) 分岐水栓を取り付ける
(5) 分岐水栓のナットを締め付ける

ハンドルがついているタイプの分岐水栓であれば、もともとついていたハンドルは不要になります。
もし賃貸住宅などで原状復帰させる必要がある場合は、捨ててしまわずに保管しておきましょう。

お湯側か水側のどちらに取り付ければ良いかは次項で解説していますので、確認してから作業した方が良いかと思います。

単水栓の場合

水もしくはお湯のどちらか一方だけを吐水口から出すタイプの蛇口が「単水栓」です。
単水栓の場合は、ハンドル部分を外して取り付けるものと、水栓本体と吐水口のパイプの間に分岐水栓を取り付けるものとがあります。

ハンドル部分を外して取り付けるものは、作業手順はハンドル混合水栓と同じ手順になります。

水栓本体と吐水口のパイプの間に取り付けるタイプの手順は、次の通りです。
(1) 水栓本体と吐水口パイプの間のナットを緩め、パイプとパッキンを外す
(2) 分岐水栓のパッキンを水栓本体にセットし、分岐水栓を取り付ける
(3) 分岐水栓の先に取り外したパイプとパッキンを取り付ける

取り付ける蛇口には、台付きのものや壁付きのものなどさまざまな種類があり、一概にどの取り付け方法なのかは判断できません。

分岐水栓の取扱説明書をよく確認し、取り付けを間違えないように細心の注意を払いましょう。
また、蛇口には小さな部品が使われています。

誤って排水口に落としたり紛失したりしないよう、何かの容器などに入れて管理するのが良い方法です。

分岐水栓の取り付け作業をする上での注意点

取り付け作業自体は難しくないのですが、作業する上で注意しておかなければならない点がいくつかあります。

水の元栓の確認は忘れない

止水栓や元栓は必ず閉めてあるか、確認は忘れないようにしましょう。
また、テスト時や作業終了時には、止水栓や元栓を開けないと水が来ないで故障と勘違いしてしまう可能性があります。
作業の最初と最後には、止水栓や元栓の状態をチェックしておきましょう。

水を出すかお湯を出すか決める

ハンドル混合水栓の場合、お湯側と水側のどちらのハンドルにつければよいか迷われるかと思います。
結論から言えば、どちらにつけても食洗機は問題なく動きます。
ただ、お湯側と水側のどちらにつなぐかによって、それぞれメリットとデメリットがあります。

お湯側につないだときのメリット

お湯側につないだときのデメリット

水側につないだときのメリット

水側につないだときのデメリット

一見、お湯につないだ方が良いように感じますが、一概にそうとも言い切れません。
水温が20℃以上であれば、トータルのコストは水接続の方が安くなる場合が多いです。
また、洗浄力はお湯接続でも水接続でも変わりません。

食洗機によっては水接続を推奨している機種もありますし、湯温の調整ができない給湯機の場合は、お湯の温度が高すぎて故障してしまう可能性もあります。
よくわからない場合は、メーカーや水道の専門業者に聞いてみるのが良いかと思います。

取り付け方向に注意する

食洗機を設置する方向に合わせて分岐水栓を取り付けるのも、非常に重要な点です。

分岐水栓の向きが設置場所と逆になっている場合、配管のホースを大きく引き回さなければならなくなり、台所のスペースを取ってしまいます。
また、設置場所と分岐水栓が近すぎる場合、距離が短すぎて配管のホースがつなげない可能性があります。

いずれにせよ、事前に食洗機の本体を仮置きしてみて、配管のホースがちゃんとつなげられるか確認しておくことが大切です。
また、食洗機の設置場所を決める際には、購入前に電源やアースの位置も見ておきましょう。

途中でテストしてみる

分岐水栓を取り付けてすべての部品を戻す前に、できればテストしておくと良いでしょう。

すべて組み立てが終了して、元栓を開けた場合に漏れていたり水が出なかったりしたら、再度すべて分解しなければならなくなります。
分岐水栓側にレバーハンドルが無く水が止められないなど、事前にテストできない場合もありますが、漏れや不具合を確認するためにも、できれば組みあがる前にテストしておくことをお勧めします。

まとめ

分岐水栓の取り付けについて、自分で取り付けができるかどうか、分岐水栓の選び方と取り付けの方法、取り付ける際の注意点について説明しました。
DIYに自信があれば、分岐水栓の取り付け自体は難しくはありません。

自分で取り付けすると工事の費用は抑えられる反面、破損などのリスクはすべて追わなければなりません。
少しでも取り付けに不安があれば、手を付ける前に水道修理の専門業者に聞いてみることでリスクは回避できます。

自分で取り付け出来るのかよくわからない場合は、まずは専門業者に連絡してみましょう。