外出先の施設などでトイレを詰まらせてしまったとき、焦ってどのように対処すればよいか分からなくなることは多々あると思います。

対処法が分からない結果、そのまま逃げるようにトイレを後にされたという方もいらっしゃるでしょう。

このようなときには、「法律上、罪として問われるのではないだろうか?」「罰金が科されるのではないだろうか?」といった疑問・不安にさいなまれることもあります。

この記事では、水回りの専門家である水道修理ルートが外出先のトイレを詰まらせたときの対策を解説します。

外出先のトイレを詰まらせたときに問われる可能性のある罪とは?

外出先のトイレを詰まらせたとしても、大半のケースでは法的に問われることはありません。

ただし、悪質な場合に限られますが状況によっては刑法で犯罪になることもあります。この章では、外出先のトイレを詰まらせたときに問われる可能性のある罪について解説します。

器物損壊罪(刑法第261条)

トイレを詰まらせた際に問われる可能性が最も高いのは刑法261条の器物損壊罪です。

刑法261条:他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する

器物損壊罪には、過失犯の量刑は定められていません。したがって、器物損壊罪に問われるのは意図的にトイレを詰まらせようとした場合に限られます。

具体的な例としては、以下のケースが考えられます。

普通にトイレを使用していて運悪くトイレが詰まってしまった場合などは器物損壊罪にはあたりません。

偽計業務妨害(刑法第233条)

店舗や施設などのトイレを意図的に詰まらせ、業務を妨害する結果を招いた場合には刑法第233条の偽計業務妨害が課される可能性があります。

刑法233条:虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する

こちらも、罪が問われるのは意図的に業務を妨害しようとした場合のみです。

外出先のトイレを詰まらせたときに逃げたらどうなる?逮捕される?

外出先のトイレを詰まらせた場合、刑法上の罪に問われるのは意図的にトイレを詰まらせたと判断される場合のみです。

しかし、トイレを詰まらせて黙って帰ってきた・逃げてきたということから、店舗や施設のオーナーから訴えられるのではないかと心配されている方もいらっしゃるでしょう。

この章では、トイレを詰まらせてそのまま逃げてきたときに気になるポイントについて解説します。

トイレを詰まらせて逮捕される可能性があるケース

いたずら目的や営業妨害目的以外でトイレを詰まらせたことが原因で逮捕されるケースはそれほど多くありませんが、具体的なケースとして以下の例が想定されます。

また、器物損壊罪は親告罪といって被害者(店舗オーナーなど)が起訴した場合にのみ逮捕されます。偽計業務妨害は、親告罪ではないので目撃者が訴えた場合でも逮捕される場合があります。

現行犯じゃなくても後から責任を取らされることはあるの?

器物損壊罪や偽計業務妨害は、現行犯じゃなくても防犯カメラの映像などにより後日逮捕される可能性はあります。

また、刑事罰が与えられない場合であっても、民事上の責任は発生します。例えば、トイレのつまり解消のために費用が発生した場合に店舗から賠償請求されるケースです。

刑法上は無罪であっても民事上の問題は当人同士での話し合いが原則です。このとき、トイレをそのままにして逃げてしまった場合には、相手側からの心証が悪くなります。

外出先のトイレを詰まらせてしまったら早めに所有者・管理者に申告を

外出先のトイレを詰まらせてしまったときには、刑事上・民事上の問題が発生する可能性があります。しかし、悪意があってトイレを詰まらせたわけでないかぎりは、相手側も訴えるようなことはしないでしょう。

恥ずかしさや民事上の責任についての問題は残りますが、ベストな対策はその場で申し出をすることです。

もし、そのままにして逃げてしまった場合であっても、自分から伝えた方が誠実な印象を与えられます。お酒に酔ってわざと詰まらせた場合には、相手方の印象によって訴えられるかどうかが左右されるケースもあるでしょう。

もし、申し出をしたときに高額な費用を請求されそうだから不安だという方は、法テラスなどの法律相談を受ける方法もあります。

トイレ修理業者に依頼しないと直らない事態になった時には、民事上の責任として賠償責任を問われるのは仕方のないことです。ただし、当事者同士の話し合いになったときに感情的になって本来賠償すべき費用以上の金額を請求される等の事態も起こるかもしれません。

してしまったことに対しては反省しつつ、果たすべき責任の範囲内で誠実な対応をしましょう。

まとめ

トイレを詰まらせてしまったとき、悪質な故意がなければ基本的には有罪を問われることはありません。

しかし、そのままにして逃げてしまったときには、モラル上の問題や損害賠償などの不安は残るでしょう。酔って何をしたのかハッキリと覚えていないという方は、後日逮捕の不安を感じられているかもしれません。

基本的に、ベストな対策は詰まらせてしまったトイレの所有者に対して誠実に申し出をしてお詫びをすることです。そして、もし修繕費などが発生している場合については、賠償を請求される可能性があることも理解しておきましょう。

ただし、必要以上に費用を負担することはありません。必要に応じて法律の専門家に対して相談をしながら、冷静な対応を心がけましょう。