突然発生することが多いトイレのつまり。慌てて修理業者を探して依頼したら「高額請求されてしまった」という例は、後を絶ちません。

ここではトイレのつまりで多いトラブル例を紹介し、高額請求されないようにするために何をチェックすると良いか?
クーリングオフで返金は可能なのか?などについて詳しく紹介します。

また、高額請求などのトラブルを回避するためには、慌てずに信頼できる業者を見つけることが重要です。

信頼できる優良業者の見極め方についても解説します。

  • トイレつまりの高額請求例
  • なぜ高額請求の被害にあうのか?
  • クーリングオフで返金は可能なのか?
  • クーリングオフできないことも?
  • ここをチェック!優良業者の見極めポイント

トイレつまりの高額請求例

最初に、実際にあった高額請求の例を2つ紹介します。

高額請求例

〈事例1〉
トイレがつまり、電話帳で見つけた業者に電話をして来てもらった。
急いでいたので、電話では料金について確認しなかった。
修理をしてもらったが、
新しい便器に交換する必要があると言われ、作業が終わった時点で「20万円」と言われた
すでに作業も終わっていたので仕方なく支払ったが、高額だと思うし、納得がいかない。

〈事例2〉
夜中にトイレがつまり、床が水浸しになったので、慌ててネットで業者を探した。
検索結果の上に出てきた業者に電話をかけて呼んだ。
「トイレを取り外さないと直せない」と言われ、
トイレを外した段階で「修理費用は70万円」と言われた
トイレを外して、個人では復旧できない状態にしてから費用を伝えられたので、唖然とするしかなかった。
請求された明細書には「便器交換」「夜間出張費」などに加え、「脱臭剤散布」「壁クリーニング」など、
よく分からない項目が数万円単位で加算されていた

いかがでしょうか?トイレのつまりを依頼して、これだけの高額請求になってしまうことが実際にあるのです。

なぜ高額請求の被害にあうのか?

なぜこれほど高額請求の被害にあう人が、後を絶たないのでしょうか?

理由は3つあります。

1.トイレつまりは冷静さを欠きやすい

トイレは日常的になくてはならない必須のもの。そのトイレがつまり、使えなくなってしまうとなると、誰でも冷静さを失います。

「急いで直さないと困る」という心理から、冷静な判断ができなくなることが多いのです。

2.急ぐので高額であっても認めてしまう

例えば小さな子供がいたり、高齢者と同居していると特に、トイレが使えなくなるということは死活問題です。

しかも夜間などにトイレつまりが起こると、朝までには直さなくてはいけないなど、急ぐ気持ちがおこります。そのため高額請求されても、仕方ないとあきらめて、認めてしまうことが多いのです。

3.事前に見積を依頼していない

最も重要なのが、作業に入る前に見積を取っていないという事です。

本来であれば2~3社見積を取って比較検討したいところですが、急ぎの場合で1社だけであっても、先に見積を取るのは鉄則です。

修理作業に入る前に見積を作成してもらい、納得できたら依頼して作業を始めてもらいましょう。

クーリングオフで返金は可能なのか?

このようなトイレつまりのトラブルでも、クーリングオフで返金は可能なのでしょうか?

あまり知られていませんが、実はトイレつまりの修理であっても、条件によってはクーリングオフは可能です。

そもそもクーリングオフとは、特定商取引法で定められた「訪問販売」「電話勧誘販売」「マルチ商法」などの契約に限り、一定の期間内であれば無条件で契約を解除することができる制度のことで、悪質な販売業者から消費者の利益を守る制度です。

特定商取引法において規定されているクーリングオフが適用される取引および期間は、訪問販売の場合で8日間です。

また、契約時に契約書面が交付されていなかった場合や、記載に不備があった場合には、クーリングオフの適用期間が延長されます。

クーリングオフは、購入した「商品」や「サービス」だけでなく、水道工事にも適用されます

もしも、工事内容や請求金額が、明らかに不当で悪質だと思われる場合は、速やかに居住地域の「消費生活センター」に、クーリングオフの申請をしましょう。

これまでにクーリングオフで返金きたケースを2つ紹介します。

クーリングオフの事例

〈事例1〉
トイレつまりで修理に来てもらった業者に「トイレを外す必要があるので修理費は5万円です」と言われ、「トイレの便器を新しいものに交換するならば、修理費は無料にします」と言われた。
「新品に交換する費用は30万円」と言われ、修理を急いでいたので焦って契約をしてしまった
後から家族に「今急いで便器を交換する必要はない」と反対されたため、クーリングオフの手続きをした。

〈事例2〉
飛び込み営業で「無料で水回りの点検サービスを行っています」と言われ、水回りの老朽化が気になっていたので点検をしてもらうことにした。
「トイレの水回りがかなり劣化しているので、このままだといつ水漏れが発生するかわからない」と言われ不安になった。
「今なら特別に定価の半額でリフォームができますよ」と言われ、その場の勢いで契約してしまった
後から調べると、提示された金額より、安い金額でリフォームできる業者がたくさんあることがわかり、クーリングオフの手続きをした。

この2つの例ではクーリングオフで返金してもらうことが出来ました。

この依頼主の発注は「修理、点検の依頼」でしたが、結果的に「修理、点検」に加え、「訪問販売(便器、リフォームの購入)」を行っており、「発注していないものやサービスを訪問販売で売りつけられた」という理由からクーリングオフが成立しています。

このようにトイレつまりでクーリングオフが適用されるためには、以下の2点がポイントになります。

クーリングオフに該当するもの

クーリングオフできないことも?

クーリングオフが適応外になるのは、以下のような4つのケースがあります。

1.修理業者を要請した目的(修理など)の契約を行い、問題なく遂行された場合

トイレつまりで自宅のトイレを修理してもらうために業者を呼び、依頼通りに業者が修理を終えている場合

自宅で契約を結ぶことを了承していて、依頼通りに遂行されているため、クーリングオフは適応されません。

2.修理業者を要請する際に「修理と共に便器を買い替えたい」など、明らかに訪問販売の意思表示をしていた場合

先の2つの事例でも、もし依頼主が修理の発注時点で、修理だけでなく便器の購入や、リフォームの意思があることを伝えていた場合は、クーリングオフの適応外になります。

3.契約書などの法定書面を交付しておらず、業者がクーリングオフを認めない場合

契約書がない場合。法定書類がなければ、本当にその業者と契約したのかを第三者が判断できません。

またクーリングオフを申し出ても、業者がそれを認めない場合、クーリングオフができないことがあります。

4.業者が消費生活センターに応じず、トラブルの解決が図れない場合

消費生活センターから業者に話し合いを持ちかけても、提供したサービスは正当だったと主張し、トラブルの解決につながらないことがあります。

悪質な業者ではクーリングオフに対応せず、そのまま連絡が取れなくなるというケースもあります

ここをチェック!優良業者の見極めポイント

このようなトラブルにならないよう、もしトイレつまりの修理を依頼する時には、以下のような点をチェックしましょう。

優良業者はサイトを見るとここでわかります。

1.水道局指定工事事業者である

「水道局指定工事事業者」とは、道徳や技術が定められた基準に達していると保証されている水道業者です。

トイレなど水回りの修理業者を選ぶときの重要なチェックポイントです。

2.料金体系が明確である

「基本料金」「作業費」「部材費(部品などのパーツ)」「出張費」「早朝・夜間料金」が明確に記載されているかどうかを確認しましょう。

市場相場と比べて極端に安すぎる業者は要注意です。

3.これまでの実績がある

創業年数が長く、修理件数が数万件あるなど、実績を積んでいる業者は信頼を積み重ねてきた証拠です。口コミなども参照しましょう。

4.見積もりが無料

電話で問い合わせた時点で費用の概算を確認し、見積もりだけで修理を依頼しない場合は、出張費・見積もり費は必要かどうかを確認しましょう。

一般的に見積もりは、現地でトイレのつまり状態を確認してからでないと詳細まで提示できないものです。

現地調査を行ってから、修理を頼まなかった場合でも「見積もりは無料」という業者は、誠意のある優良業者です。

5.PL保険(生産物賠償責任保険)に加入している

PL保険(生産物賠償責任保険)は、製造・販売した製品や、作業終了後、行った仕事の結果が原因となって、ケガをさせたり(対人事故)、壊したり(対物事故)した時に補償してくれる保険です。

このような保険に入っている業者は、もしもの時に安心できる優良業者です。

まとめ

ここではトイレのつまりで多いトラブル例と、高額請求されないためのチェックポイント、クーリングオフの返金事例や、信頼できる優良業者の見極めポイントについて紹介しました。

トイレのつまりは、夜間や休日など急に発生しますが、夜間の作業になるとどうしても高額請求になります

家の近くに公衆トイレやコンビニなどがある場合は、焦って夜中に修理を依頼せず、一晩経って「朝になったら流れた!」というケースもありますので、翌朝まで様子を見ても良いかもしれません

どちらにしても落ち着いて、信頼できる業者を選んで依頼しましょう。