日頃当たり前のように使用しているガス給湯器は、故障することもあります。
ただし、その原因・症状はさまざまです。
ガス給湯器が故障したときに、いち早く復旧させるためには故障・トラブルの原因をいち早く突き止めて、適切な対処をすることが大切です。
この記事では、ガス給湯器故障の原因と対策をプロの水道修理業者として21年以上の実績をもつ水道修理ルートが解説します。さまざまな症状に対応できるようにするために、故障以外の症状をまとめたあとに、症状別のチェック表も案内しています。
ガス給湯器にトラブルが生じている方は、ぜひ参考にしてください。
目次
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給湯器の故障?壊れているかわからないときに確認するポイント
ガス給湯器が使用できなくなったときに、必ずしも故障・トラブルが生じているとは限りません。この章では、修理の必要のない故障・トラブル以外の症状について解説します。
ガスの供給が止まっていないか?
いくつかの症状からガスの供給がストップしてしまうことがあります。
ガスが供給されているかいなかを確認する際には、ガスメーターをチェックしましょう。
考えられるのは、以下のケースです。
- ガス料金の未納大地震などの災害発生
- ガス会社の都合やトラブルによる供給のストップ
- 漏電探知機(ブレーカー)が落ちている
- ガス給湯器の電源が落ちている
まずはガス料金未納の心当たりがある方は、支払い状況を確認しましょう。
災害による安全対策やガス会社の都合によるトラブルに関しては、ガス会社ホームページにて確認できます。
断水になっていないか?
断水によって、水が出なくなってしまう可能性も考えられます。
- 水道料金の未納
- 大地震などの災害発生
- 近隣での水道工事
これらの状況により、水道がストップする可能性があります。
ほかの水道蛇口から水が出るか否かを確認したうえで、水道局や工事業者などから通知が届いていないかを確認しましょう。
水の供給が一時的にストップするほどの大がかりな工事については、自治体ホームページでも確認できます。
ガスの元栓が閉まってないか?
ガス給湯器の元栓は、屋外のガス給湯器のすぐ近くにあります。
かつては、ガス給湯器の元栓は毎日閉めるものでしたが、近年のガス給湯器は安全装置の機能も向上し、毎日閉めなくても安全に使用できます。
毎日、元栓を閉めないからこそ、何らかの理由でガスの元栓を閉めた際に、閉めたことを忘れてしまいがちです。
ガスの元栓を閉めた覚えがないかどうかを確認しましょう。
設定温度が下がっていないか?
設定温度を変更したあとに、設定を戻し忘れている可能性もあります。
設定を変更した心当たりがないかを確認しましょう。
設定温度に関して注意しておきたいポイントの一つが優先温度設定です。
例えば、キッチンの温度設定を60度・お風呂の温度設定を38度に設定していて、お風呂の温度設定を「優先」していると、キッチンのお湯も38度になります。
設定温度と合わせて、優先設定についても確認しましょう。
配管が凍結していないか?
外気温が氷点下4度を下回ると、配管が凍結して水もお湯も出なくなってしまうことがあります。
配管の凍結は、通常は時間の経過とともに解決します。
しかし、配管凍結の際の内部の水の膨張により配管が破損してしまったときには、専門業者に修理を依頼する必要があります。
ガス給湯器故障の原因を判断するためのチェックリスト
ガス給湯器が故障した場合には、症状ごとにさまざまな原因が考えられます。
以下、チェックリストをご案内します。
症状 | 考えられる原因 |
お湯も水も出ない | 経年劣化 |
バルブの詰まり | |
蛇口・配管のトラブル | |
施工不良 | |
熱いお湯が出ない | 給湯器の不具合・故障 |
経年劣化 | |
循環フィルターの目詰まり | |
温度が安定しない | 給湯器の不具合 |
異音が生じている | ボンッという音 |
ピーッという音 | |
ゴーッという音 |
症状別にクリックして内容を確認していただくこともできるので、気になる症状がある方はぜひ確認してください。
ガス給湯器故障によりお湯も水も出ない場合に考えられる原因・対策
この章では、お湯も水も出ない状況で考えられるガス給湯器の故障原因とその修理法を解説します。
給湯器の経年劣化
給湯器は、長く利用していると、経年劣化によりトラブルが生じやすくなります。
一般的にガス給湯器の寿命の目安は、10年程度です。
大手ガスメーカーであるノーリツのホームページにも寿命の目安が10年であると記載されています。
ただし、給湯器の劣化状況は使用方法や状況などによって異なることにも注意しておきましょう。
7~8年の利用で故障してしまうこともあれば、15年程度壊れずに使用できる場合もあります。
部品の故障リスクもあるため、定期的に点検をしてもらうようにしましょう。
バルブの詰まり
バルブとは、水を給湯器に通したり、ストップしたりするための調節をおこなう部分です。
イメージとしては、給水栓・止水栓のようなものです。
何らかの原因によりバルブが詰まって水が流れなくなったときには、蛇口からお湯・水が出てこなくなります。
バルブ周辺からの水漏れが生じている場合などに、バルブの詰まりが予想されます。
もしも、バルブが詰まってしまったときには、ご自身での対応は困難です。
プロの水道修理業者を手配しましょう。
蛇口・配管のトラブル
蛇口や配管の故障・トラブルによって水・お湯が流れなくなる場合もあります。
トラブル状況をできるだけ詳しく把握するためには、水・お湯が出ない箇所を特定します。
いずれにせよ、蛇口や配管の修理も一般の方にとっては簡単なものではありません。
水道修理業者を手配して、具体的な症状の確認と修理を依頼しましょう。
施工不良
建物の新築やリフォームの直後に水・お湯が出ない症状の際には、施工不良の可能性があります。
施工不良によって、配管の取り付けがよくなかったり、機器の設定が正しくされていなかったりする場合にトラブルが生じます。
工事直後に異変が見つかったときには、できるだけ早く施工業者に問い合わせをして状況の確認を依頼しましょう。
ガス給湯器故障などにより熱いお湯が出ないときの対処法
ガス給湯器の故障によって、熱いお湯が出ないときの対処法について解説します。
水、もしくはぬるま湯がでるにも関わらずトラブルが生じるケースについての原因と対処法を案内するので、ぜひ参考にしてください。
給湯器の不具合・故障
給湯器本体の不具合・故障・寿命などにより、熱いお湯が出なくなることがあります。
給湯器内にはさまざまな部品もあるため、トラブルの状況は一概にはいえませんが、給湯器本体にトラブルが生じている場合には、リモコンパネルにエラーコードが表示されている可能性があります。
エラーコードを確認したうえで、プロの水道修理業者に修理依頼の相談をしましょう。
経年劣化
経年劣化により、お湯を給湯器でお湯を作るパワーが落ちることもあります。
部品の機能劣化の症状はさまざまですので、10年前後ガス給湯器を使用している方は、経年劣化の確認のためにも専門業者に点検の依頼をしましょう。
循環フィルターの目詰まり
お風呂のお湯の温度が低いときには、循環フィルターに目詰まりを起こしている可能性があります。
循環フィルターとは、浴槽内の汚れから給湯器を守るために取り付けられている金属製の部品です。
循環フィルター内のつまりは、歯ブラシや洗剤で丁寧に洗浄してキレイにすることで、熱いお湯が出ない症状を改善できる場合があります。
ガス給湯器故障の温度が安定しないときに考えられる原因・対策
お湯の温度が高温になったり低温になったりを繰り返している場合には、給湯器の故障が考えられます。
原因の切り分けのために確認しておきたいのは、リモコンパネルの表示です。
具体的には、以下のトラブルが考えられます。
- ガス給湯器本体・部品の故障や劣化
- 混合栓(給水バルブ)の故障・トラブル
まずは、お湯を目一杯出して症状が改善するか否かを確認してください(水圧不足によって温度が上がらない症状の場合は、改善する見込みがあります)。
混合栓のトラブルの場合は、設定温度を上げても下げても、お湯の温度があまり変化しないケースが多いです。
また、故障ではありませんがお風呂・キッチンなど複数の箇所で同時にお湯を使用すると水圧が低下して温度調節がうまくいかないことがあります。
ガス給湯器故障から異音が生じるときに考えられる原因・対策
ガス給湯器の故障によって異音が生じるケースもあります。
異音が生じていているにも関わらずそのまま放置してしまうと大きな事故につながる可能性があるため、早急に対応することが重要です。
ボンッという音
ガス給湯器から「ボンッ」という小さな爆発音がしている場合、ガス漏れ・不完全燃焼が起きている可能性があります。
そのまま使用し続けると、一酸化炭素濃度が高くなって死亡事故につながるリスクもあります。
症状を発見したらすぐに専門業者に連絡を取り、案内に沿って対応してください。
ピーッという音
ピーッという音が漏れてきたときには、ファンモーターに異常が生じていてガスと空気のバランスが一定に保たれていない可能性があります。
ファンモーターの異常は、経年劣化と一時的な空気濃度の上昇のいずれかの可能性が高いです。10年前後給湯器を使用している場合や異音が何度か繰り返して発生している場合には、専門業者に確認を依頼しましょう。
ゴーッという音
ガスを使用している際に、吸排気口からゴーッという音が聞こえる際には、ポンプの内部にゴミ・ほこり・虫などが入り込んでいる可能性があります。そのまま放置しておくと、不完全燃焼の原因になることもあるため、異物の除去・清掃をする必要があります。
「清掃であれば自分でできるのでは?」と思われるかもしれませんが、給湯器内部を触るのは危険を伴うため、プロの専門業者に依頼をしてください。
ガス給湯器メーカー別|実際の故障・トラブル事例
ガス給湯器の細部の仕組みやトラブル内容は、メーカーによって異なります。
この章では、メーカー別にガス給湯器のトラブル事例を解説します。
リンナイ
リンナイのガス給湯器を使用していて、「お風呂のお湯はりの分量が少なく、温度も低い」という事例がありました。
水道修理業者が点検したところ、機器本体には異常が見られず、しかも設置から1年以内の新しい給湯器だったこともあり、電気系統の不調が疑われました。
結局のところ、コンセントの抜き差しをおこなった結果、トラブルが解消され現在も問題なく使用されています。
ノーリツ
ノーリツのガス給湯器故障の事例として紹介するのは、集合住宅によるガス給湯器の長年の使用による故障事例です。
このケースでは、お風呂とキッチンとの両方で同時にお湯が出ない(水は出る)事態に陥りました。
専門業者に見積もり・点検・修理を依頼した結果、ガス給湯器・リモコンパネルなど一式を取り替える結果になったそうです。
リンナイとノーリツの2社は国内2大メーカーということもあり、サポートセンターのほかに対応可能な専門業者も多数あります。
パロマ
パロマのガス給湯器の経年劣化により、追い焚きができなくなってしまったという事例もありました。
実際の事例では、古くなってお湯を作れなくなったため、ガス給湯器を交換しています。
まとめ
ガス給湯器は、故障やさまざまな理由から不調やトラブルが起こります。
給湯器にトラブルが発生すると、お湯が利用できずに生活に不自由を感じるだけではなく、大きな事故に発展する危険性もあるため、早急な対応が必要です。
原因の目星をつけてスムーズな対応を心がけましょう。
記事内では、症状別のリストを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
また、給湯器の修理対応はリスクもあるため慎重な対応を心がけましょう。
給湯器の故障が疑われる際には、事故の危険性もあるため、専門業者に依頼するようにしましょう。