総合家電メーカーの日立の給湯器(エコキュートや電気温水器など)を使用しているときに急に利用できなくなったり、不具合が生じたりすることがあります。
しばしば報告されるのは、お湯が出なかったり、水漏れが生じたりする、といった症状です。
日立を含め、国内で販売されている給湯器メーカーの大半は、安全性に十分な配慮をとっていますが、トラブル時に誤った対処をすると重大な事故などのリスクが生じます。
この記事では、日立給湯器の故障・不具合の対処法を解説します。
目次
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日立エコキュートの故障・トラブル・エラーコード表示時の特徴
日立エコキュート・電気温水器の故障や不具合が予想される際の対応方法を知るには、日立エコキュートの特徴を把握する必要があります。
日本国内で販売されているエコキュート・給湯器はどのメーカーのものも一定の品質を備えており、日立製のものも非常に高く評価されています。
非常に細かい点ではあるものの他のメーカーと異なる点もあるため、押さえておきましょう。
日立エコキュートの3つの特徴
日立のエコキュートの大きな特徴は、3点あります。
1. 飲用水としても使用可能
大半のエコキュートは雑菌が繁殖するため、飲用水としては使用できません。
しかし、日立のエコキュートは独自技術により瞬間的に加熱することで雑菌の繁殖を抑えているため、安全に飲むことができます。
2. 入浴剤や井戸水を使用しても故障しにくい
日立のエコキュートは、入浴剤や井戸水など、不純物が混じっている水を使用しても詰まりにくいという特徴があります。
「ナイアガラタフネス」という、タンクのお湯を熱源として繰り返し使用する独自技術を用いているため、カルシウムなどが詰まりにくい構造です。
3. 水圧が強い
日立の「水道直圧」タイプは、高圧タイプの中でも特に水圧が強いとの評判を得ています。
日立のエコキュートは、水圧を重視する方に選ばれています。
日立のエコキュートは、2022年3月現在において高いシェアを誇っているわけではないものの、品質面の評価の高さが際立っています。
エラー表示の強制解除ができない
メリットでもありデメリットでもありますが、日立のエコキュートはエラー表示された際に強制解除できません。
エラーコードが表示された場合には、エラーの根本の原因が解決するまでは、表示が出続けることになります。
もし、ご自身で対応しようとしても対策が出来ない場合には、専門の修理業者に修理依頼をしてください。
日立のエコキュートに不具合が生じる場面
日立のエコキュートに不具合が生じるケースは、他のメーカーの場合と基本的に同様です。
よく見られる例を紹介します。
- 経年劣化や寿命
日立エコキュートの耐用年数の目安は設置から10年
保証期間は本体:1年/ヒートポンプ:3年 - 部品の破損やトラブル
- 凍結などの自然現象の影響
- 栓の閉め忘れなどの操作ミス
- 施工業者による設置時の取り付けミス
- 誤作動
上記のように、原因やトラブル理由が非常に幅広いため、故障が疑われる状況に直面した際には、慎重な対応をとる姿勢が求められます。
日立エコキュートの故障が疑われる際によくある現象
日立エコキュートの故障が疑われる際に、症状別によくある現象を押さえておくと、速やかに適切な対処を取れる可能性が高まります。
エコキュートがいつものように機能しないからといって、必ず故障しているわけではありません。
この章では、日立エコキュートの故障が疑われる際によくある現象を解説します。
蛇口からお湯も水も出ない
蛇口からお湯も水もでないときには、エコキュートの故障以外に以下の現象が考えられます。
症状 | 対応 |
断水している | 断水の案内を確認 |
タンク専用止水栓が閉じている | ご自身だけで止水栓を開けるのではなく、修理業者に相談をしてください |
給湯配管・給水配管が凍結している | 気温が上がり、自然に解凍されるのを待つ |
凍結が疑われる際に、早くお湯を使用したい状況であっても配管に直接お湯をかけるのはNGです。
配管が破損する可能性があります。
お湯が出ない
エラーコードが表示されていない状況で、水しかでない状況の場合には、故障のほかにタンクのお湯が少なくなっているケースが考えられます。
リモコンにて「残湯量」を確認して、残湯量が少ない場合にはリモコンの「タンク沸き増し」ボタンを押してください。
お湯が出るまでに時間がかかる
蛇口をひねってからお湯が出てくるまでに時間がかかるケースでは、エコキュートから蛇口までの距離が長い状況が考えられます。
故障ではないものの、配管までの距離が長い場合に配管内に残る水がその都度ムダになってしまうという問題があります(配管内で時間が経過すると水に戻ってしまうため)。
対処をしたい場合には、配管を短くするための工事が必要です(ただし、工事費用が高額になる可能性があります)。
昼間にエコキュートが作動する
いつもよりもお湯を多く使用した場合や、設定湯量がそもそも少ない場合などは、お湯が不足しないように自動沸き上げをおこなうことがあります。
基本的には電気料金の安い夜間に作動するエコキュートですが、日中に作動しても故障ではありません。
また、気温が低く凍結が懸念される際に、凍結防止のためにエコキュートが作動することがあります。
お風呂の追いだきができない
貯湯ユニット内の温度が低くなっているときには、残湯表示があっても追いだきできません。
解決するには、リモコンパネルの「タンク沸き増し」ボタンを押して沸き上げを行う必要があります。
貯湯ユニットから水漏れしている
沸き上げ中は、内部の水分が膨張して水漏れが生じます。
炊き上げ中以外のときに水漏れが生じる場合は、逃し弁(タンクの上部についているスイッチのようなもの)の点検をして、正常にオン・オフできているか確認してください。
ヒートポンプから水漏れしている
沸き上げ中にヒートポンプから水漏れが生じるのは、故障ではなく正常な動作です。
また、外気温や湿度によって生じる結露についても、故障やトラブルではありません。
お風呂の循環アダプターから水が出る・ゴボゴボ音が出る
外気温が低い時期には、浴槽のお湯の循環のために、循環アダプターから水が出ることがあります。
このとき、浴槽からゴボゴボと音がします。
これらは、ふろ追いだき配管の追いだき防止のための機能であり、故障・トラブルではありません。
日立エコキュートの故障・不具合・エラーコード表示時の対応手順
日立エコキュート・電気温水器に故障やトラブルが生じている場合には、迅速な対応が求められます。
この章では、数あるエコキュートのトラブル対応に対してスムーズな対応を取れるようにするための方法を解説します。
ステップ1:状況確認をする
日立エコキュートの故障が疑われるときに最初におこなうことは、状況確認です。
状況確認をすることで、ご自身での対応の可否を判断したうえで、修理業者に対して正確に情報を伝えることができます。
チェックすべきポイントは、以下の点です。
- エコキュートの異常の内容(お湯が出ない/お湯も水も出ない/温度が安定しない、など)
- 他の蛇口で同様の症状が出ているか否か
ステップ2:エラーコードを確認する
エコキュートがふだんと異なる動きをしている際には、エラーコードを確認します。
故障・トラブル・正常ではない操作などの際には、リモコンパネルにエラーコードが表示されています。
日立エコキュートのエラーコードは、アルファベット1ケタ+数字2ケタの3ケタで表示されます。
それぞれのエラーコードごとに、予想される症状や対応方法があるため、エラーコードを確認しましょう。
ステップ3:自身でできる対応をする
簡単な操作ミスや清掃などにより対応できるエラーコードに関しては、ご自身での対応が可能なケースもあります。
エラーコードの表示内容を確認して、対応可能な作業をおこなってください。
ステップ4:修理業者に連絡をする
ご自身で対応が難しい内容については、修理業者に依頼をしてください。
状況を正確に伝えることが大切です。
- いつからエラーが生じているのか?
- どんなエラーコードが表示されているのか?
- どのような症状か?
上記の点を的確に伝えましょう。
また、作業スタッフが駆けつけるまでの間に、エコキュート本体への電源・水の供給をストップした方がよいケースもあります。
担当オペレーターに応急処置の必要性や作業手順についても確認するとよいでしょう。
日立エコキュートの故障修理対応をする場合の注意点
日立エコキュート・電気温水器の故障修理依頼をする際に、的確な対応を依頼するために押さえておきたい点があります。
この章では、日立エコキュートの故障修理対応のために押さえておきたいポイントを3点解説します。
迅速な対応を心がける
日立エコキュート・電気温水器の故障修理対応をする際には、早めに対応を依頼することが重要です。
対応が遅れると、症状が深刻化したり、二次災害を誘発したりすることもあるためです。
エコキュートの修理を依頼する場合には立ち会いが必要であるため、スケジュール調整をしなくてはなりません。
また、スピーディな駆けつけに対応している修理業者に依頼することも重要です。
無理をしない
費用負担などが気になって、できる限り自分で対応したいと考える方もみえます。
しかし、エコキュートの修理・点検作業の大半は、資格が必要な作業です。
誤った作業をすると、大きな火傷や事故を招くこともあるため、必ず無理をせずに専門業者に依頼をしてください。
加入中の保証サービス・保険を確認する
エコキュート・電気温水器の故障・トラブルに関しては、以下の保証サービス・保険が利用できる可能性があります。
保証サービス・保険 | 内容 |
メーカー保証 | 日立の場合は、本体1年・ヒートポンプ3年 |
販売点保証 | 販売店独自の保証サービス |
火災保険 | 火災・落雷・台風など、保険商品に決められた条件で故障が生じたとき (自然故障・経年劣化などは保証の対象外) |
ご自身の契約状況や損害の状況を把握して、利用できるサービスを確認してみましょう。
まとめ
日立のエコキュート・電気温水器の故障が疑われる際には、正確に状況確認をしてから適切な対応を取ることが大切です。
もし故障だった場合には、ご自身でできる対応は決して多くなりませんが、業者に適切に状況を伝えることにより被害を最小限に抑えることにつながります。
表示されているエラーコードに応じた対応を取ることも重要です。
的確な対応を取るために、本記事を参考にしていただけたら幸いです。