トイレタンクから聞こえる異音は、多くの人を悩ませる問題の一つです。異音は単なる不快な現象ではなく、重大な問題を秘めている可能性があります。
本記事では、トイレタンクから発生する異音の種類とその原因、自己診断の方法、そして専門家に相談すべき状況について詳しく解説します。
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トイレタンクからでる異音の種類と原因
シューッという音がする場合
トイレタンクからシューッという持続的な音が聞こえる場合、主に給水弁の不具合が原因として考えられます。給水弁は、タンク内の水量を適切に保つための重要な部品です。この音は、給水弁が完全に閉まらず、わずかに水が漏れ続けている状態を示している可能性が高いです。
原因としては、給水弁のゴムパッキンの劣化や、弁内部にゴミが詰まっていることが挙げられます。
カタカタという音がする場合
トイレタンクからカタカタという断続的な音が聞こえる場合、フロート(浮き玉)の動作不良が主な原因として考えられます。フロートは、タンク内の水位を適切に保つための重要な役割を果たしています。
この音は、フロートが正しい位置で止まらず、給水弁との接触を繰り返すことで発生します。フロートのアームが曲がっていたり、フロート自体が破損していたりすることが原因として考えられます。この症状が続くと、適切な水位調整ができなくなり、水の無駄遣いにつながる恐れがあります。
ゴボゴボという音がする場合
トイレタンクからゴボゴボという音が聞こえる場合、排水弁の不具合を示唆しています。排水弁は、タンク内の水を便器に流すための重要な部品です。この音は、排水弁が完全に閉まらないため、タンク内の水がゆっくりと便器に漏れ出し、その際に空気が入ることで発生します。
主な原因としては、排水弁のチェーンの長さ調整不良や、弁自体の劣化が挙げられます。この症状を放置すると、水の無駄遣いだけでなく、トイレの洗浄力低下にもつながります。
ピーという高音がする場合
トイレタンクからピーという高音が聞こえる場合、配管内の水圧が異常に高くなっていることを示す可能性があります。この音は、給水管や給水弁に過度の負荷がかかり、振動することで発生します。
原因としては、水道本管からの水圧が高すぎる場合や、給水管内に空気が溜まっている場合などが考えられます。この症状を長期間放置すると、配管や部品の劣化を早める原因となり、最悪の場合、水漏れや配管の破裂につながる恐れがあります。
また、異常な高水圧は、トイレ以外の水回り設備にも悪影響を及ぼす可能性があるため、早急な対処が必要です。
トイレタンクから異音がする場合に自分でできる簡単な点検と修理方法
タンクの蓋を開けての目視確認
トイレタンクから異音が聞こえた場合、まず行うべきはタンクの蓋を開けての目視確認です。
水位が適切か、フロートや給水弁、排水弁に明らかな損傷や異常がないかを確認します。特に、水が流れ続けている箇所や、部品同士が不自然に接触している箇所がないかに注目しましょう。
この確認により、異音の原因となっている部分をおおよそ特定することができます。また、タンク内部に異物や沈殿物が溜まっていないかも確認し、あれば慎重に取り除きます。
フロートの位置調整
フロートの位置調整は、カタカタという音や水位の問題を解決するための重要な作業です。まず、タンク内の水を流し、フロートの動きを観察します。フロートが正しく上下し、適切な位置で止まるかを確認します。フロートの位置が高すぎる場合は水があふれる原因となり、低すぎる場合は十分な水量が確保できません。
調整が必要な場合は、フロートアームの調整ネジを回して位置を変更します。時計回りに回すとフロートが下がり、反時計回りに回すと上がります。適切な水位は、通常、オーバーフロー管の上端から約2〜3センチ下の位置です。調整後は必ず水を流して動作を確認し、必要に応じて微調整を行います。
給水弁のゴミ除去
給水弁のゴミ除去は、シューッという音や水漏れの問題を解決するために効果的な方法です。まず、止水栓を閉めてタンク内の水を流し切ります。次に、給水管と給水弁を接続しているナットを緩め、給水弁を取り外します。取り外した給水弁を観察し、ゴミやスケールが付着していないか確認します。
弁の内部や周辺のゴミは、柔らかいブラシや布で丁寧に取り除きます。特に注意が必要なのは弁の開閉部分で、ここにゴミが詰まっていると水漏れの原因となります。
清掃後は元の位置に正しく取り付け、止水栓を開いて水漏れがないか確認します。この作業で改善が見られない場合は、給水弁の部品交換が必要かもしれません。
排水弁の清掃と調整
排水弁の清掃と調整は、ゴボゴボという音や水が止まらない問題を解決するのに効果的です。まず、チェーンの長さを確認します。チェーンが長すぎると弁が完全に閉まらず、短すぎるとレバーを押しても弁が十分に開きません。適切な長さに調整し、レバーを操作して弁の開閉がスムーズに行われるか確認します。
次に、排水弁のゴム部分を点検します。亀裂や変形がある場合は水漏れの原因となるため、交換が必要です。弁の表面に付着している汚れやスケールは、柔らかい布で丁寧に拭き取ります。
清掃後は水を流して弁の密閉性を確認し、水が漏れ続けていないか注意深く観察します。これらの作業で改善が見られない場合は、排水弁全体の交換を検討する必要があります。
トイレタンクからの異音について水道修理業者に依頼すべき状況とは
水漏れが止まらない場合
トイレタンクからの水漏れが止まらない場合は、速やかに水道修理業者に依頼すべき状況です。継続的な水漏れは、単に水道代の増加だけでなく、建物の構造にも悪影響を及ぼす可能性があります。
また、水漏れの原因が複雑な場合、例えば配管の亀裂や接続部の不具合など、素人の対処では危険を伴うこともあります。水道修理業者は専門的な知識と道具を持っているため、問題の根本的な解決が可能です。
部品の交換が必要な場合
トイレタンクの部品交換が必要な場合も、水道修理業者に依頼することをお勧めします。タンク内の部品、特に給水弁や排水弁は、長年の使用で劣化し、交換が必要になることがあります。
これらの部品は、正確なサイズと適合性が重要で、間違った部品を選択すると、新たな問題を引き起こす可能性があります
配管に関する問題が疑われる場合
トイレの異音や不具合の原因が配管にある可能性がある場合は、必ず水道修理業者に依頼してください。配管の問題は、見た目では判断が難しく、専門的な知識と技術が必要です。例えば、配管内の水圧異常、配管の詰まり、または配管自体の劣化などが考えられます。これらの問題は、単にトイレだけでなく、家全体の水回りシステムに影響を与える可能性があります。
修理にかかる費用の目安
トイレタンクの修理費用は、問題の内容や必要な作業によって大きく異なります。一般的な費用の目安としては、以下のようになります。
簡単な部品交換や調整の場合、5,000円から15,000円程度で済むことが多いです。例えば、フロートの交換や給水弁の清掃などが該当します。
より複雑な修理、例えば給水弁や排水弁の完全交換が必要な場合は、15,000円から30,000円程度かかることがあります。配管に関する問題の場合、作業の難易度や範囲によっては50,000円以上かかる可能性もあります。
ただし、これらは一般的な目安であり、実際の費用は地域や業者によって異なります。修理を依頼する際は、必ず事前に見積もりを取り、作業内容と費用について詳しく説明を受けることをお勧めします。
まとめ
トイレタンクからの異音は、単なる不快な現象ではなく、重大な問題の前兆である可能性があります。本記事で紹介した異音の種類と原因、簡単な点検方法を参考に、早期発見と対処を心がけることが大切です。しかし、自己診断と対処には限界があることを認識し、問題が複雑であったり、自分で解決できない場合は、躊躇せずに水道修理業者に相談することをお勧めします。