大きな地震が起こった後に、給湯器にエラーやトラブルが発生してお湯が出なくなることがあります。特に大きな地震の後の場合には、給湯器設備が故障してしまったのではないかと不安に思う方も多くいらっしゃるかもしれません。
しかしながら、地震の後には、さまざまな理由から給湯器からお湯が出なくなることがあります。深刻な状況であるケースもあれば、簡単に復旧するものもあり、ケースバイケースで状況は異なります。
重要なポイントは、状況を判断して場面に応じた対処法を取ることです。
この記事では、地震で給湯器のお湯が出ない状況のときに考えられる理由と対処法を解説します。
目次
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地震の後に給湯器からお湯が出ない場合に考えられる理由
地震の後に給湯器からお湯が出ない場合に、考えられる主な理由は5点考えられます。
例え急にお湯が出なくなっても、おおよその原因が特定できていれば冷静に対処することが可能です。
また、トラブル発生時の不安も抑えられるでしょう。
具体的な場面を紹介します。
停電
地震が発生して、電柱・電線・ケーブル設備などに損傷が生じると、停電が発生します。
ガス給湯器・電気給湯器・石油給湯器のいずれも、動力源として電気を使用しているため、お湯が使用できなくなります。
ただし、エコキュートはお湯をあらかじめお湯を作ってタンクにためておく仕組みであるため、一時的な停電によりすぐにお湯が出なくなるわけではありません(ただし、自動湯はりなどの、給湯器設備による機能は使用できなくなります)。
また、オール電化対応のご家庭や、緊急用のバッテリーを設置済みの方は、停電時にも電力を確保できます。
停電によるトラブルは、電気の供給が復旧すれば自然に使用できるようになるケースが一般的です。
ガスの供給ストップ(ガス給湯器)
ガス給湯器を使用中に考えられるのが、ガスの供給のストップです。
ガス供給のストップは、大きく分けると2とおりのケースが考えられます。
- ガスの設備に破損やトラブルが生じた
- ガスのメーター(アイコンメーター)の安全装置が作動した
ガスメーターは、ガスの使用量を計測する機能のほかに、安全性維持のために自動的にガスの供給をストップする安全装置機能がつけられています。
安全装置とは
震度5相当以上の地震が発生した際に、自動的にガスの供給がストップするというものです。
ガスの供給がストップした場合は、ガスの復旧・ガスメーターの安全装置の解除をすることで、復旧できます。
ガス漏れ(ガス給湯器)
地震の影響により部品の破損が生じると、ガス漏れがおこることがあります。
ガス給湯器のガス漏れは、火災の原因になることもあり、非常に危険です。
給湯器設備の近くで、ガスのような臭いがするときや警報器がなっているときには、ガスの使用を停止し、給湯器の電源を切ってから元栓を閉めてください。
さらに、専門家である修理業者への相談・依頼も急ぎましょう。
相談の際に、修理会社のスタッフが駆けつけるまでの対処法や、安全装置を確認することも重要です。
断水(ガス給湯器・石油給湯器・電気温水器など)
大地震の影響で、水道管が破裂して断水が生じることもあります。
この場合、基本的に水の供給が復旧するまでは、お湯が出ない状況になります。
エコキュートの場合には、タンク内に残っているお湯であれば使用可能です(ただし、断水の期間が不明の場合には、タンク内のお湯が貴重な生活用水となるため、必ず自由に使用できるとは限りません)。
断水が生じた際には、自治体からの情報を確認して、復旧情報などをいち早くキャッチすることが重要です。
電気系統・給湯器の故障(ガス給湯器・エコキュート)
電気系統や給湯器が、地震の影響で故障することもあります。
給湯器には多数の部品が使用されているため、故障の症状は多岐にわたりますが、燃焼・温度調節などに関連する機能にトラブルが生じるとお湯が出なくなります。
箇所にかかわらず、給湯器設備の故障の大半はご自身で対応できません。
専門業者に修理を依頼しましょう。
修理を依頼する際には、できるだけ早めに依頼することと、状況を正確に伝えることが重要です。
地震の後に給湯器からお湯が出ないときの対処法
地震の後に給湯器からお湯が出ないときには、スムーズに対処することが重要です。
給湯器のトラブルに対してスピーディーに対応をすることで、被害を最小限に抑えられます。
特に大きな地震の後には、修理業者への依頼や問い合わせが殺到する状況も考えられるため、余計にスピーディーな対処が必要です。
この章では、状況にかかわらず合致する基本的な対処法を解説します。
状況・エラーコードの確認
地震の後にお湯が使用できなくなったときには、まずは正確に状況を確認することが重要です。
状況確認のポイントは以下のとおりです。
- お湯が出ない箇所はどこか?(キッチンのみ・キッチンとお風呂両方など)
- リモコンパネルにはどのような表示(エラーコード)が出ているか?
エラーコードの番号は、給湯器のメーカー・機種によって異なります。
説明書やメーカーのホームページを確認して、ご自身での対応可否を確認しましょう。
ご自身での対応が難しい場合には、給湯器のメーカーや機種などを確認して修理業者に伝えましょう。
ガス漏れが生じていないかどうかの確認
地震の際の給湯器のトラブルで最も深刻なトラブルは、ガス漏れです。
大きな地震があったときには、ガス漏れの有無をチェックしましょう。
- ガス漏れを示す警告灯・警告音
- エラーコードにて確認
点火不良・給湯立ち消え安全装置作動など、ガスの供給エラーを示すエラーコード
ガスの臭い
上記のようにガス漏れの兆候が見られたら、給湯器の電源を切って、ガスの元栓を閉めましょう。
そして、できるだけ早く修理業者に依頼をすることが重要です。
【故障やガス漏れがない場合】安全に注意しながら復旧作業
給湯設備の故障やガス漏れが生じていない場合には、安全面に注意をしながら復旧作業をおこないます。
地震の際に特に注意しなくてはならないのは、ガスメーターの安全装置の解除です。
ガスメーターの解除方法が分からないときには、ガス会社に連絡をして対処してもらうこともできます。
あるいは、特に異常が生じていない場合には、停電やガスの供給ストップなどの状況が改善されるのを待ちます。
供給が復旧した際には、元どおり機器が使用できるか否かを確認しましょう。
【ご自身での対処が難しいとき】修理業者への依頼・相談
ご自身での対処が難しいときには、速やかに修理業者に依頼をしましょう。
大きな地震の後には、トラブルや問い合わせの殺到で修理業者の電話がつながりにくくなったり、対応スタッフが駆けつけるまでに時間がかかる場合があります。
だからこそ、迅速に状況を確認して、状況を正確に伝えることが重要です。
まとめ
大地震の後に給湯器からお湯が出なくなることがあります。
このとき考えられるのは、ガスや電気の供給停止・安全装置の作動・給湯器設備の破損や故障などさまざまな状況が考えられます。
さまざまな状況が考えられるからこそ、状況を正確に判断して適切な対処をすることが重要です。
また、地震の後だからこそ、自分で対処できる状況であっても安全に気をつけて慎重に対応する必要があります。
状況と照らし合わせるために、本記事の内容を参考にしていただけたら幸いです。