給湯器(ガス給湯器・エコキュート・電気温水器など)の故障・不具合の症状はさまざまです。よく見られる症状の一つが、「水は出るのにお湯は出ない」というものです。「給湯器の追いだきはできるのに湯はりができない」という症状もあります。
このとき、利用者としてはスムーズに適切な対応を取ることが重要です。
しかし、同じ症状であっても根本の原因は多岐にわたります。
この記事では、水道修理関連において100万件以上の相談実績をもつ水道修理ルートが解説します。
目次
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給湯器の水が出るのにお湯が出ない!考えられる主な原因
給湯器を使用していて水が出るのにお湯が出ないという状況で考えられる主な原因は6点あります。
この章では、6点それぞれの原因を解説します。
給湯器の故障
給湯器が故障してお湯を沸かす力が発揮されない場合には、お湯を利用できなくなります。
給湯器のお湯が出ない不具合に陥った時に、本体の故障を疑う方も多いのではないでしょうか?
給湯器本体はさまざまな部品が組み合わさってできており、「故障」といってもその状況はさまざまです。
しかしながら、故障箇所にかかわらず給湯器が故障した場合には専門業者への修理・点検依頼が必要です。
給湯器の点検・修理は資格・免許を必要とする作業であり、知識や技術を持たない方が作業をおこなうと事故やトラブルの原因になることがあります。
熱源(ガス・電気)の供給ストップ
お湯を沸かすための熱源の供給がストップしている場合には、当然お湯をつくることができません。
代表的な熱源は、ガス(ガス給湯器・エコジョーズなど)・電気(エコキュート・電気給湯器など)・石油(石油給湯器)などです。
熱源の供給がストップする状況として考えられるのは、以下のケースです。
- 気象状況による安全処置としての供給停止
- 公共料金の滞納
- ブレーカーダウン
- タンクの故障
タンクの故障以外の状況については、根本の原因が解消すれば自然に解決します。
ただし、タンクの故障の場合は専門業者に確認してもらう必要があります。
給湯配管の凍結
給湯配管が部分的に凍結した場合も、水しか出てこなくなる状況の原因となることがあります。
特に、配管が地中ではなく外部に露出している場合には、外気温の影響を受けやすいため凍結リスクが高まります。
凍結のリスクが生じるのは、氷点下4度以下のときです。
給湯配管の凍結に対しては、前日の夜のうちから少量ずつ水を流すなどの予防策が基本ですが、凍結してしまった際には気温が上昇して自然に症状が改善するのを待ちましょう。
配管に直接熱湯を掛けるなどの対処をすると、急な温度変化により配管が破裂・破損する場合があります。
どうしても緊急でお湯を使用しなければならない場合には、配管をタオルなどで覆ってから40~50℃程度のお湯をかけることで、破裂のリスクを下げられます。
タンクのお湯の残量不足(エコキュートの場合)
エコキュートのお湯が出ないケースとしてよく見られるのが、タンクの残湯量が不足しているケースです。
エコキュートは、1日に利用する分のお湯を夜間に沸きあげてタンクにためておく仕組みであるため、お湯を使い切ってしまうと沸きあげが完了するまではお湯を使用できません。
ふだんよりも多くお湯を使用したり、元々の沸きあげのお湯の量が不足したりしている方は、要注意です。
再び沸きあげをすれば使用可能ですが、以下の2点に注意する必要があります。
- 沸きあげが完了するまでに時間を要する
- 昼間にお湯を沸かすと、電気料金が高額になる
(電気料金の単価が夜間と昼間とで異なるため)
給湯管の詰まり
給湯管が詰まっていると、センサーが水流を感知して点火する仕組みが働かず、お湯が沸かないケースが考えられます。
給湯管の詰まりが生じた場合には、基本的には専門の修理業者への点検・修理依頼が必要です。
部品・設備の寿命・老朽化
給湯器の本体・配管・リモコンパネルに使用されている素材や部品が劣化したり、故障したりすることもあります。
給湯機能に関連する部品が寿命により機能しなくなったときには、お湯が出なくなるケースもあります。
使用状況や部品の種類によって寿命には違いが生じるため、一概に「何年」といった基準はありませんが、給湯設備全体の寿命の目安は10年です。
給湯器の利用年数が10年に近づいている方や、不調箇所が気になる方は、専門業者に点検を依頼するとよいでしょう。
給湯器を使用していて水が出るのにお湯が出ないときの原因をチェックするポイント
給湯器を使用していてお湯が出ないときには、スムーズに対処することが重要です。
給湯器の故障や不具合は、生活の利便性に直結するだけでなく、対応が遅れるとより深刻な事態を引き起こしてしまうリスクがあるためです。
この章では、速やかに適切な対応を取るためのチェックポイントを解説します。
リモコンにエラー表示されていないか?
給湯器・エコキュートの故障の原因を確認するときに、最も役立つのはリモコンのエラー表示です。
エラー表示の内容は、給湯器のメーカーによって異なりますが、どのメーカーもエラーコードの内容を確認すると考えられる症状・原因・基本的な対処法などを確認できます。
給湯器の電源は入っているか?
まず、給湯器の電源確認です。給湯器が正しく電源に接続されているかを確認してください。電源がオンになっていない場合、お湯が出ないことがあります。あわせて、給湯器の設定温度も確認しましょう。設定温度が低すぎる場合、お湯が出ないことがあります。
給湯器・エコキュート・電気温水器のリモコン・液晶パネルに何も表示されていないこともあります。
とはいえ、エコキュートの電源が入っていないからといって深刻な故障である都は限りません。
起こりがちなエラーとしては、給湯器の電源プラグがコンセントから抜け落ちていたり、ブレーカーが落ちていたりして電源が入っていないケースです。
これらの場合には、電源さえ供給されれば復旧されるケースが多いです。
ただし、エコキュートの場合は、沸きあげできていない状況で電力の供給がストップしていた場合には、沸きあげまで時間を要することも理解しておきましょう。
ほかの蛇口からはお湯が出ているか?
状況を正確に把握するためには、症状が1箇所で起こっているのかご家庭全体で起こっているのかを知ることも重要です。
1箇所のみの不具合
1箇所のみでお湯が出ていない状況の場合に考えられるのは、以下のケースです。
蛇口が故障している
蛇口交換や蛇口の部品交換などの必要があります。専門業者に依頼をしましょう。
温度が適切に設定されていない
設定を正確に確認する必要があります。
給湯器には「優先設定」などの項目もあるため、リモコンパネルを丁寧に確認しましょう。
家全体での不具合
ご家庭のお湯が全く利用できないケースで考えられるのは、以下の状況です。
熱源が供給されていない
供給側の問題の場合には、状況が解除されるのを待つしかありません。
ご自身で止水栓をストップしている場合などは、正常な状態に設定を戻す必要があります。
配管が凍結している
配管凍結の場合には、基本的には自然に症状が改善される状態を待つ必要があります。
給湯器本体が故障している
給湯器本体の故障の場合には、専門の修理業者に修理の依頼が必要です。エラーコードなどを控えて、状況をできるだけ正確に把握した上で相談しましょう。
配管設備に異常が見られる
配管設備の異常に関しても専門業者への修理・点検依頼が必要です。
パイプの詰まりをチェック
そして、パイプの詰まりをチェックしてください。給湯器のパイプが詰まっていると、お湯の流れが滞ってしまいお湯が出ないことがあります。パイプの詰まりがある場合は、専門家に相談することをおすすめします。
給湯器のトラブルの対処方法
給湯器のトラブルには様々な原因がありますが、この記事では特に点火不良やガス不足、センサーの故障に焦点を当てて対処法を紹介します。
点火不良の場合の対処法
点火不良が起きた場合、まずはガスの供給を確認しましょう。ガスメーターのバルブが開いているか、ガスタンクが空になっていないかを確認しましょう。
また、ガスの供給路が詰まっていないかも確認します。それでも点火しない場合は、点火装置やイグニッションワイヤーなどの部品の状態をチェックし、必要に応じて交換も考えましょう。
ガス不足を解消する方法
ガス不足の場合は、まずはガスメーターやガスタンクのガス残量を確認しましょう。もしガスが不足している場合は、ガス会社へ連絡して補充するように依頼しましょう。
また、ガスの流れを阻害するような要因がないかも確認する必要があります。パイプやバルブが詰まっていないか、正しく接続されているかを確認し、必要ならば修理や交換を行いましょう。
センサーの故障によるトラブル対処法
センサーの故障が原因でトラブルが起きた場合は、まずはセンサーの動作状況を確認しましょう。センサーが汚れている可能性もあるので、清掃してみることもオススメです。もしセンサーが故障しているようであれば、専門家に相談して修理を依頼しましょう。センサーの交換も考慮してください。
以上が給湯器のトラブルに対する対処法です。これらの方法を試しても解決しない場合や、より具体的なトラブルの内容に合わせた対処法を知りたい場合は、給湯器のメーカーや販売店に相談することをおすすめします。
給湯器は日常生活に欠かせない設備であり、安定した使用が求められますから、トラブルが発生したら迅速な対応が必要です。
給湯器の交換を検討するタイミング
給湯器は、家庭の生活において欠かせない存在です。しかし、使い続けることによって寿命がくることもあります。そこで、給湯器の寿命について考える必要があります。
給湯器の寿命は一般的に10年~15年と言われており、その間に修理をしたりメンテナンスをしたりすることで寿命を延ばすことができます。しかし、いくらメンテナンスをしていても、古い給湯器は故障することが増え、修理費用もかさむことがあります。そのため、修理費用と交換費用を比較し、経済的な判断をする必要があります。
また、交換する際には、快適なお湯を利用するために新しい給湯器の選び方も重要です。給湯器の選び方には、使用人数や使用頻度、設置場所などの要素が関係してきますので、注意が必要です。以上の要素を考慮し、給湯器の交換を検討するタイミングを見極めましょう。
ヒートポンプ給湯器のお湯が出ない時の対処法
外気温の影響を考える
ヒートポンプ給湯器のお湯が出ない場合、外気温が影響している可能性があります。外気温が低いと給湯器の効率が下がり、お湯が出にくくなることがあります。特に寒い季節には、給湯器の性能を最大限に発揮させるために、外気温の影響を考えた対策が必要です。
フィルターの掃除をする
給湯器のフィルターは、定期的に掃除することが重要です。フィルターには、異物や汚れがたまりやすく、これらが詰まると給湯器の性能が低下し、お湯が出なくなることがあります。定期的にフィルターを取り外し、水洗いしてきれいにしてください。この作業は簡単でありながら大切なメンテナンスの一つです。
冷却水の設定温度を確認する
ヒートポンプ給湯器では、冷却水の設定温度がお湯の出る温度に影響を与えます。設定温度が低すぎると、給湯器の効率が下がり、お湯が出なくなることがあります。冷却水の設定温度を確認し、適切な温度に設定してください。
以上の対処法を実施することで、ヒートポンプ給湯器のお湯が出ない問題を解決することができます。しっかりとメンテナンスを行い、給湯器の性能を最大限に引き出しましょう。お湯の利用に支障がないように、定期的な点検と清掃を行うことをおすすめします。
お湯を出せる代替手段とは?
お湯を出せる代替手段には、ボイラーの利用方法があります。ボイラーは、水を加熱して蒸気を生成し、お湯を供給する装置です。一般的にはガスや電気を使用して稼働させることができます。ボイラーを使用することで、手軽にお湯を利用することができます。
また、電気ポットを使ってお湯を沸かす方法もあります。電気ポットは、水を加熱することでお湯を生成する機器です。一般的には家庭用の小型のものから、業務用の大型のものまで様々な種類があります。電気ポットを使用することで、短時間でお湯を沸かすことができます。
これらの代替手段を活用することで、お湯を手軽に利用することができます。日常生活や健康管理において、お湯の利用は欠かせません。上記の方法を実践し、快適なお湯環境を整えましょう。
プロに頼むべきお湯が出ないトラブル
お風呂に入ろうと思ったら、お湯が全く出ない!こんなトラブルに遭遇したことはありませんか?お湯が出ないという状況は、何らかの故障やトラブルが原因と考えられます。そんな時は、給湯器の専門業者に相談することをおすすめします。
専門業者に依頼するべきタイミングと方法
まず、自分で問題を解決しようと試みたけれども解決できなかった場合や専門知識が必要な場合、または危険な作業である場合は、早めに専門業者に依頼することが重要です。エアコンや電気配線、水道やガスの設備など、素人が手を出すと危険な場合もありますので、自己判断せずに専門家の助けを求めましょう。
専門業者に依頼する方法としては、まずは比較検討を行い、信頼できる業者を選ぶことが大切です。口コミや評価、実績などを参考にすると良いでしょう。そして、料金や契約内容についてもしっかりと確認し、納得のいく業者と契約を結びましょう。専門業者に依頼することで、安心して問題を解決することができます。
給湯器の専門業者に相談する
給湯器の専門業者は、豊富な知識と経験を持ち、迅速にトラブルを解決してくれることでしょう。専門業者に相談することで、お湯が出ない原因や修理方法が明確になり、早期に問題解決することができます。安心してお湯を使いたい方は、まずは給湯器の専門業者に相談してみましょう。
設備会社に修理依頼をする
お湯が出ないというトラブルは、給湯器自体の故障が原因である場合があります。専門業者の診断結果が故障だと判明した場合は、設備会社に修理依頼をすることをおすすめします。設備会社は、給湯器の修理や交換を行う専門家です。適切なパーツや工具を使い、迅速かつ正確に修理を行ってくれます。修理後は、安心してお湯を使うことができるでしょう。トラブルが起きたら、まずは設備会社に修理依頼をしてみてください。
住宅設備保険の活用方法
お湯が出ないトラブルは、突然起こることもあるため、事前の対策が難しい場合があります。そんな時に役立つのが住宅設備保険です。住宅設備保険は、住宅の設備機器や配管などの故障やトラブルに対して補償を受けることができる保険です。お湯が出ないというトラブルにも、保険の補償が適用されることがあります。保険会社に連絡し、補償範囲や手続きについて確認してみましょう。住宅設備保険を活用することで、修理費用や交換費用を軽減することができます。お湯が出ないトラブルに備えて、住宅設備保険の活用を検討してみてください。
給湯器からお湯が出ないときの修理費用相場
給湯器(ガス給湯器・エコキュート・電気温水器など)からお湯が出ないときの修理費用相場は、具体的な症状・給湯器の機種などによって大きく費用相場が異なります。
例えば、容量が大きく最新の機能をもつ給湯器は、費用が高額になる可能性が高いでしょう。
したがって、あくまでも概算にはなるものの、給湯器を修理業者に依頼した際の費用の概算(出張費+作業代+部品代の合計)は以下のとおりです。
〇費用が比較的安くなるケース(5,000円~20,000円程度)
・設定の変更のみで対応可能
・蛇口の交換など軽度な部品交換
〇費用が高額になりやすいケース(10万円以上~)
・エコキュート本体の故障
・配管設備の故障
いずれのケースにおいても、具体的な状況によって費用が異なるため、修理業者に見積もり依頼を依頼して確認するとよいでしょう。
また、給湯器購入からの期間や不具合の原因によっては、メーカー保証・販売店保証・火災保険などが利用できるケースもあります。
契約内容を確認して、利用できる場合には速やかに連絡を取ることも重要です。
修理費用によっては、エコキュートの買い換えが選択肢に含まれる可能性もあります。
特にエコキュートの購入から10年程度の期間が経過している場合は、かかる光熱費や保証などもふまえ、修理か買い換えかの検討をするとよいでしょう。
お湯が出ない時の対策と予防方法
給湯器のトラブルで、お湯が出ない時は困りますよね。そんな状況を未然に防ぐためには、定期的なメンテナンスが必要です。
自分でできる確認事項と対処法
私たちができる確認事項と対処法をご紹介します。まず、日常的に行うことができる確認事項としては、定期的なメンテナンスや清掃などが挙げられます。エアコンや電気製品などの動作確認、水道やガスの漏れチェック、火災報知器や防犯カメラの動作確認など、身の回りの設備や器具の状態を確認しておくことはとても重要です。
もしも異常があった場合は、適切な対処法を見つけることが求められます。取扱説明書やインターネットを活用して、問題の解決策を見つける努力をしてください。
それに加えて、専門家に相談することも一つの手段です。自分でできる範囲内の対処はしてみたけれども解決できなかった場合や専門知識が必要な問題については、遠慮せずに専門業者に依頼しましょう。安全のためにも、専門知識と経験を持つ専門業者にお願いすることが重要です。
給湯器のメンテナンス
給湯器のメンテナンスは、専門の業者に依頼することをおすすめします。定期的な点検や清掃を行うことで、トラブルの予兆を見つけることができます。また、給湯器のフィルターやヒーターの交換も行うことで、故障を防ぐことができます。
水道管の凍結対策
さらに、水道管の凍結対策も重要です。冬場など寒い地域では、水道管が凍ってしまうことがあります。その状態で給湯器を使用すると、故障の原因となることがあります。凍結を防ぐためには、水道管を適切に断熱することが必要です。
給湯器の設置場所について
給湯器の設置場所も重要です。湿気の多い場所や換気の悪い場所では、給湯器の劣化や故障の原因となることがあります。設置場所は給湯器の取扱説明書に記載されている指示に従うようにしましょう。
お湯が出ない状況は、生活に大きな影響を与えることもあるため、予防や対策は重要です。定期的なメンテナンスや水道管の凍結対策、適切な設置場所の選択などを行い、安心してお湯を利用することができるようにしましょう。
まとめ
給湯器の、お湯が出ないのに水は出るという症状において考えられる原因・症状はさまざまです。
一般の個人が原因を特定して解決するのは簡単なことではありませんが、本記事を参考にしながら一つひとつ考えられる可能性について対処してください。
基本的に故障やトラブルが発生している際には、修理業者への依頼が必要です。
その際にも、エラーコードや詳細の状況をできるだけ正確にかつ速やかに伝えることで被害を最小限に抑えることができます。