毎日使っているトイレが突然詰まって水が逆流してきたら…?
想像するだけでもぞっとしますが、トイレつまりは日常的によく起こりやすいことです。

そして、とくに便秘がちな方は注意が必要です。
実はトイレの詰まりで最も多いのが、「硬い太い便」がつまるという、便秘の便のケースなのです。
また、下痢の場合も大量にトイレットペーパーを使うことで、トイレつまりを発生しやすくなります。

このような便秘や下痢、大量の便が原因でトイレつまりが発生してしまった場合は、どのように対処すると良いのでしょうか?
その解消法として、トイレの詰まりを直す6つの解消方法を詳しく解説します。

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良い便と悪い便

トイレは用を足して水で流すところですが、便には流れやすい良い便と、流れにくい悪い便があります。
理想的な便は、繊維が多く、水分も空気も多く含まれているため、ふわっと水に浮きます。

一方で便秘の便は、何日も腸に留まっているため、栄養や水分を極限まで吸い取られて、カチカチで固くて重くて沈みます。
下痢の便は水分が多く、すぐに水に溶けるため詰まることはほぼありません。

同様に大量の便であっても、ゆるい便であればつまることはほぼないでしょう。
トイレのつまりになりやすいのは、この「便秘の固い便」なのです。

  • 良い便:繊維が多くふわっと水に浮く便
  • 悪い便:カチカチで固くて重くて沈む便秘の便

トイレで固い便がつまる理由

便器は排水口に水をためることにより、排水管から悪臭や害虫が上がってくるのを防げるような設計になっています。
水をためるために排水口の奥はS字型をしています。

排水路の中でもっとも狭い「せき」、その先にもくぼみがあり、非常につまりやすい構造になっています。
排水口から排水路にかけて急カーブが続いたような状態であり、貴重品などを落としても、奥まで流してしまわないというメリットがあります。

便は水圧で押し流され、排水路で水に溶けて柔らかくなりながら、排水管へと流れていきますが、便秘の固い便の場合だと、溶けきらずにこうしたカーブで詰まることがあるのです。
また、便秘の固い便だけでなく、下痢などで大量にトイレットペーパーを流した時にも、トイレ詰まりの原因になります
まとめて流そうとせず、何回かに分けて流すように気をつけましょう。

もう一点、タンクの水圧が弱っていると、小で大を流すようなことになるので、固い便秘の便を押し流すパワーが足りず、詰まりにつながります。
節水のためにタンク内にペットボトルを沈めたりせず、日頃からタンクの水量や、水圧の調整を行っておきましょう。

【トイレがつまる主な原因】

  • 硬い太い便・便秘の便
  • 大量にトイレットペーパーを流した時
  • 水圧が弱っている時

便によるトイレの詰まりを直す6つの方法


それではトイレつまりを直す6つの方法を具体的に紹介します。
これらの方法は、便秘の固い便やトイレットペーパーがつまった場合の直し方です。

水に溶けないもの(ナプキン、おむつなど)がつまった場合は、必ず専門の修理業者に依頼して下さい。
どの方法でも、作業前に便器の電源コードはあらかじめ抜いておきます。

【トイレつまりの6つの直し方】

  • ラバーカップ(すっぽん)で流す
  • ペットボトルで流す
  • お湯で溶かして流す
  • 重曹とクエン酸+お湯で溶かして流す
  • 食器用洗剤で溶かして流す
  • 半日放置してみる

ラバーカップ(すっぽん)で流す

まず最初に、1番オーソドックスなトイレ詰まりの直し方です。
ラバーカップ(すっぽん)がある場合は、ラバーカップを使ってつまりを直すことができます。
ラバーカップは「つまりを引き上げる」ために使いうものですので、正しく使えば、簡単に詰まりを直すことができます。

<準備するもの>

  • ラバーカップ(すっぽん)
  • 大きなごみ袋
  • コップ、ペットボトル
  • バケツ
  • ぞうきん

<手順>
汚水が便器の上の方まで上がっている場合は、コップや口を切り落としたペットボトルなどで水をくみ出しておく。
便器の水が床に飛び散らないようにするため、大きなゴミ袋の中央に穴を開け、ラバーカップを通して便器にかぶせる。
ラバーカップを便器の排水口に密着させ、ゆっくりと押し付ける。
最大限押し付けたら、勢いよく引っ張る。これを数回繰り返す。
つまりがとれたら、バケツ汲んだ水を便器に流してみて、きちんと流れたら終了。

ペットボトルで流す

ラバーカップの代用品になるのが、ペットボトルです。

トイレの詰まりでラバーカップの準備がなかった場合は、この方法が適しています。

<準備するもの>

  • 500mlペットボトルA
  • ゴム手袋
  • カッター・ハサミ
  • コップ、ペットボトルB
  • バケツ
  • ぞうきん

<手順>
ペットボトルAの下部を2cmくらいカッターやハサミで切り落とす。キャップは捨てる。
汚水が便器の上の方まで上がっている場合は、コップや口を切り落としたペットボトルBなどで水をくみ出しておく。
ゴム手袋をつけ、ペットボトルAの口に親指を差し込む。
ペットボトルAの切り口(底面)を排水口の奥までさしこみ、口を指で塞いだ状態で、押したり引いたりを繰り返す。
つまりがとれたら、バケツで汲んだ水を便器に流してみて、きちんと流れたら終了。

お湯とバケツで溶かして流す

軽度な詰まりであれば、実はお湯を使うだけで簡単にトイレつまりを解消できます。

お湯でふやかして流す方法のため、1時間程度の時間を要します。

<準備するもの>

  • お湯(45~50℃くらいで2Lくらいの量)
  • コップ、ペットボトル
  • バケツ
  • ぞうきん

<手順>
バケツに便器内の汚水をコップや口を切り落としたペットボトルなどでくみ出しておく。
45~50℃くらいのお湯を、少し高い位置から便器内にゆっくり注ぐ。
┗上記を2〜3回間隔を空けて繰り返す。
便器は熱湯をかけると割れることがあるため、熱湯は使用しない
1時間程度放置してつまりをふやかす。
放置後、バケツで水を流して、水が流れるか確認し、きちんと流れたら終了。

重曹とクエン酸とお湯で溶かして流す

必要なものは、重曹とクエン酸、ぬるま湯とバケツです。
重曹は酸性の汚物、クエン酸はアルカリ性の汚物を分解する効果があるので、お湯だけ使うよりも効果が上がります。
クエン酸がない場合はお酢で代用も可能です。

<準備するもの>

  • 重曹(カップ1/4)
  • クエン酸(カップ1/2)またはお酢100ml
  • お湯(45~50℃くらいで2Lくらいの量)
  • コップ、ペットボトル
  • バケツ
  • ぞうきん

<手順>
バケツに便器内の汚水をコップや口を切り落としたペットボトルなどでくみ出しておく。
排水口(水が溜まっているところ)に重曹を入れ、クエン酸を入れる。
┗クエン酸がない場合はお酢で代用も可。
お湯を注ぎ入れると泡立つのでそのまま1時間ほど放置する。
1時間放置後、水をバケツに入れて少し高い位置から少しずつ流す。きちんと流れたら終了。

食器用洗剤で溶かして流す

重曹やクエン酸がない場合、食器用洗剤でもトイレつまりを解消することができます。
食器用洗剤は、たんぱく質や油性の汚れを分解する効果に優れています。

やり方は簡単ですが、洗剤の使用量が多く、ていねいに行わないと泡だらけになるため、取り扱いには注意して下さい。

<準備するもの>

  • 食器用洗剤100ml
  • お湯(45~50℃くらいで2Lくらいの量)
  • コップ、ペットボトル
  • バケツ
  • ぞうきん

<手順>
バケツに便器内の汚水をコップや口を切り落としたペットボトルなどでくみ出しておく。
食器用洗剤を排水口(水が溜まっているところ)に入れる。
ぬるま湯を、泡立てないようゆっくりと便器の中に注ぐ。
20分ほど放置する。
水位が下がっているか確認して、水をバケツに入れて少しずつ流す。きちんと流れたら終了。

半日放置してみる

最後に、究極の簡単トイレつまり解消方法です。

便やトイレットペーパーは、元々水に溶ける性質のものなので、実はつまっても半日そのまま放置しておくだけで、自然に溶けて流れるようになることがよくあります。
明らかに水に溶けるもので、時間的に余裕がある場合は、半日放置して様子を見てみるのも良いでしょう。

トイレ詰まりでやってはいけないこと

トイレつまりで失敗しやすいのが、焦って初期対応を間違えてしまい、さらに悪化させてしまうことです。
初期対応として最も気をつけるべきことは、「レバーで水を流さない」ということです。

トイレがつまった時、とっさにレバーを動かして水を流したい気持ちになりますが、一般的なトイレで大レバーを使うと6リットル、小レバーで5リットル程度の水が流れます。
トイレつまりの状態で、レバーを動かしてしまうと、これだけの水が一気に便器内に流れ、あっという間にあふれてしまうことがあります。
トイレがつまったときはもちろん、ラバーカップなどを使用して、つまりが解消されたか確認するときにも、レバーを回して水を流すのではなく、バケツに汲んだ水で少しずつ様子を見ながら流すようにしましょう。
「トイレつまりでレバーは触らない」が鉄則です。

解消しないときは無理せず専門業者に依頼する

このように、本来流せるはずの便がトイレつまりの原因になることはよくあります。
そして流せるはずの便やトイレットペーパーによるトイレ詰まりは、自分でも簡単に直すことができます。
しかし、試してみてもトイレのつまりが解消しない時には、無理に自力で直そうとしないという切り替えも必要です。
それは、過去に水に溶けない固形物や異物を排水管につまったまま放置していたことで、今回便がつまった、という事もあるからです。

また、マンションなどの集合住宅の場合、他の部屋のトイレつまりが原因で、影響を受けてつまってしまったということもあるのです。これらは専門業者でないと、本当の原因を見抜くことができません。
集合住宅の場合は、誤って水を溢れさせて床に浸水させてしまうと、階下まで影響を与えてしまうほか、汚物の消毒作業なども発生して、後々面倒になることがあります。難しそうだと感じたら、それ以上悪化させないよう業者に頼りましょう。
大量の便が溢れて、自分で処理するのも気が引けるような場合にも、業者を頼ってしまうのがおすすめです。

業者はプロとして汚物や便を見慣れているので、どんな状況であっても冷静に対処してくれます。
トイレ修理の料金についてはこちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

まとめ

ここでは便秘や下痢、大量の便が原因で、トイレ詰まりが発生した時の6つの解消方法について、詳しく紹介しました。
便秘がちだという方は、トイレつまりがいつ起こるかわかりません。
ラバーカップ(すっぽん)は常備しておくようにしましょう。
最近はより簡単に詰まりを解消できる真空式パイプクリーナーなども発売されているので、新たに購入する場合は併せて検討してみると良いかもしれません。

また、ここで紹介した6つの解消方法は、便やトイレットペーパーが原因でつまりが発生した場合に解消出来る方法です。
固形物や水に溶けない異物が原因の場合は、迷わず専門の修理業者へ修理を依頼しましょう。