ウォシュレットを設置しているご家庭が増えてきたのに比例して、ウォシュレットからの水漏れトラブルが増えています。
ウォシュレットからの水漏れでは、ウォシュレット本体のみならず床や壁に被害がでることもあります。マンションやアパート、団地などの集合住宅にお住まいの方であれば、階下や隣家に影響がおよんで、賠償責任などの発生することもあります。
また、漏水だけでなく、床材などの腐食やカビの繁殖による健康被害にもつながっていく可能性があります。
そこでこの記事では、ウォシュレットからの水漏れの6つの原因と対策方法についてご紹介します。
目次
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ウォシュレットからの水漏れの原因6選
ウォシュレットからの水漏れのよくある原因6つについてご紹介します。
ただし、重度な水漏れの場合、速やかに専門的知識を有する水道修理業者に修理依頼をしましょう。
①ノズル
ウォシュレットからの水漏れの原因のひとつは洗浄ノズルです。
洗浄ノズルから水漏れしている場合は以下の理由が考えられます。
- バルブユニットの故障
- ノズル本体の破損
- ノズル内部の弁やパッキンの劣化
- ノズルにこびりついた汚れ
バルブユニットの故障に関しては、分解や再組み立てに専門知識と技能が必要、かつ作業や部品交換にも専用部品が必要で、電気部品も関連してくることから、自ら修理を行うのは困難です。
バルブユニットの故障であれば、水道修理業者に依頼しましょう。
②給水ホース・配管・パイプ
ウォシュレットと給水ホースの接続部分の金具が、なんらかの理由で緩んでいたり、外れてしまうことで水漏れするケースがあります。
近いものでは、
- 分岐金具の劣化・故障
- パッキンの劣化
これらが原因で水漏れしていることもあります。水漏れ箇所がこれらの部品だとはっきり判明したなら、同一の新しい部品を購入して交換しましょう。
③給水フィルター
ウォシュレットの給水管には、微細な錆や砂利など、水道水からの不純物を取り除くためのフィルターが取り付けられています。
このフィルター部品が原因となるトラブルは「ウォシュレットの水が出ない」などの給水不良が典型的です。ただし、フィルター周辺の部品の緩みや、パッキン同様にフィルターのゴム部分劣化などにより、水漏れを起こすことがあります。
④水抜き栓
機種によっては、凍結防止やメンテナンスなどのためにウォシュレット本体内部から水を抜くための水抜き栓があります。
この水抜き栓の緩み、破損や、ゴムパッキンの劣化などによっても水漏れが発生します。
水抜き栓そのものの交換が必要な場合、部品が入手困難なことも多いですが、緩みやパッキンであれば修理可能な場合もあります。
⑤操作パネル
滅多にありませんが、ウォシュレット本体や内部パーツの故障によって、誤作動による水漏れが生じることもあります。センサー部品の劣化、スイッチの故障など、いくつかの不調が重なることで誤作動し、操作していないのにノズルからの吐水、掃除用の吐水などが行われてしまう状態です。
ノズル同様、内部部品に関連する修理は難しいので、水道修理業者に依頼して速やかに対処しましょう。
⑥温水タンク
貯湯式ウォシュレットには、ノズルから出す温水が内蔵タンクにためられています。この温水タンクまわりから水漏れするケースもあります。
温水タンクから水漏れの原因として以下の2点があります。
- ゴムパッキンの劣化
- ひび、亀裂などのタンク破損
タンクは内蔵されており、パッキンや周辺部品、タンク本体も専用部品です。また、分解や再組み立ても困難ですから、ノズルなどと同様、水道修理業者への依頼をしましょう。
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ウォシュレットの水漏れを放置するリスク
ウォシュレットの水漏れは、生活に支障がないケースも多いため軽視されがちですが、放置すると以下のようなリスクがあります。
水道料金の高騰
トイレを流すとき以外でも水が出ている状態であれば、その分だけ水道料金が高くなってしまいます。
少しずつであっても、水道メーターにより計量されます。また、漏れている水が自然に止まることは通常ありません。多くの場合、症状は悪化して、水漏れの量は増えていきます。
感電や漏電のおそれ
ウォシュレットは電気製品です。水漏れの場所によっては、内部部品が濡れてショートしたり、最悪の場合には感電や漏電をひきおこすおそれがあります。
さらには火災など、より大きな事態につながる可能性もあります。
結露やカビが発生しやすくなる
水漏れにより周辺の湿度が高くなって結露の発生や、カビが出てくる原因にもなります。
衛生面でも、家屋へのダメージ防止という面でも、早めに対処するようにしましょう。
ウォシュレットからの水漏れの応急処置
ウォシュレットからの水漏れには速やかな対処が必要です。応急処置は以下の手順で行いましょう。
①止水栓を閉める
水漏れに気づいたら、まず「止水栓」を閉めましょう。トイレへの水の供給を断つことができるので、どこが原因で水漏れしているのか分からなくても、とりあえずは水漏れを止めることができます。
また、トイレ全体でなく、ウォシュレットへの給水だけを止める止水栓があれば、こちらを閉めましょう。この場合、ウォシュレットは使用できなくなりますが、トイレは通常通りに使用できます。
ほとんどのトイレの止水栓はマイナスドライバーで閉めることが可能です。(※なかには素手で閉められるものもあります)
②ウォシュレットのプラグを抜く
感電や漏電を防止するため、ウォシュレットのプラグを抜きましょう。このとき、すでにプラグまわりが水で濡れているかもしれませんから、ゴム手袋をはめたりなどしてからプラグを抜きましょう。
③接続部の緩みを直す
給水ホースとウォシュレットの接続部分が緩んで水漏れを引き起こしていることもあるので、モンキーレンチなどを使って接続部分のナットなどを締め直してください。
以上の3つの手順で応急処置を行ったあと、水道修理業者に依頼して速やかに直してもらいましょう。
ただし、賃貸にお住まいの方は、入居者の故意によるものや過失などでなければ、修理費用は管理会社または大家さんが負担するのが一般的です。
水道修理業者に依頼する前に、管理会社または大家さんにウォシュレットの水漏れを伝えましょう。
ただし、入居時の備え付けではなく、ご自身で購入して取り付けた物に関しては、ご自身で修理費を負担しなければいけません。
ウォシュレットからの水漏れを予防するには?
定期的に掃除をする
給水フィルターやノズルはじめ、様々な部品は、定期的な掃除が性能を保つ助けになります。また、掃除をするさいには各部分を目視しますから、なんらかの異常があるときに発見が早くなります。いつもは湿っていない場所が湿っていたり、異音がしていたりなど、初期段階で異常が発見できれば、大きなトラブルになるまえに対応できます。
ただし、掃除の際には、ホース廻りや金具類などに大きな力をかけないよう注意しましょう。
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ウォシュレットから床にまで水漏れしている場合
ウォシュレットの水漏れが生じた際、ノズル不調などのように便器中で漏れるのでなく、貯湯タンクの破損やホース接続部からの水漏れなど、ウォシュレット外部へ水漏れを起こす場合もあります。
外部へ水漏れしている場合、まずホースと分岐水栓の接続部分や、ホースと便器の接続部分を目視する、または手で触れてみて、どこから水が漏れているのか確認しましょう。それから、止水栓を閉めて水漏れを止めておきましょう。
外部への水漏れは、壁や床、さらには柱や根太などにまで影響がおよぶ場合もあります。壁紙や床材のはがれや浮き、根太の腐食などは修理も大きなものになってしまいます。早急に対処した方がよいでしょう。
ウォシュレットからの水漏れを自分で対処できない場合
ウォシュレットからの水漏れの対処法などを紹介してきましたが、内容によっては中々対処が困難なものがあります。
また、修理を試みて、状況を悪化させてしまうケースも多いです。
少しでも不安があれば、無理をせず水道修理の専門の業者に依頼することをおすすめします。
水道修理業者による修理料金の目安
では、水道修理業者でウォシュレットの水漏れを直すのに料金はいくらぐらい掛かるのでしょうか。ウォシュレットの水漏れの修理内容と費用相場の対応表を下記にまとめました。
故障した部分によっても費用が変わりますので、そのことを前提として依頼するとよいでしょう。
修理内容 | 費用相場(目安) |
トイレの水漏れ | 7,000円~10,000円 |
ウォシュレット取付・交換 | 8,000円~12,000円 |
ノズルからの水漏れ | 12,000円~18,000円 |
温水タンクからの水漏れ | 13,000円~23,000円 |
※費用相場は他社を含めたおおよその費用相場であり、金額を保証するものではありません
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監修者プロフィール
大塚
給水装置工事主任技術者
2005年から排水設備責任技術者として排水装置工事の計画や設計・施工業務に従事。2011年12月には給水装置工事主任技術者の資格を取得し、水道修理にまつわる施工・指導者として活動。2014年に土木工事業・管工事業の監理技術者となり、水回りのみならず建築・不動産分野にもわたり経験・知見を積み現在に至る。