昨今では、和式のトイレはだんだんと少なくなっています。特に新しい設備に関しては、洋式のトイレが設置されるケースが大半です。
だからこそ、詰まりなどのトラブルが生じてしまった際に和式トイレの対策の情報が見つからない、と困っている方も少なくありません。
そこで、この記事では、和式トイレの詰まりを対策するためのポイントを解説します。
目次
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和式トイレの「つまり」対策の基礎知識
和式トイレの「つまり」対策の可否を考えるためには、基本的に押さえておきたいポイントがあります。
そこで、前提条件として押さえておきたい和式トイレならではの基本知識について解説します。
先に、結論を少しお伝えすると、和式トイレのつまりは、軽度~中度の場合にはご自身でも対応可能です。
和式トイレと洋式トイレとの違い
和式トイレと洋式トイレは、構造が異なります。
中でも大きな違いは、配管の太さです。
和式トイレは、洋式トイレよりも配管が太いためそもそも詰まりが生じにくいという特徴があります。
その一方で、洋式トイレ用に作られたラバーカップ(スッポン)や真空式パイプクリーナーを使用使用とすると、ラバー部分の直径が足りないために真空状態を作り出すことができず、効果があまり期待できないという面もあります。
また、外観からも容易に分かりますが便器の形状や配管の形なども大きく異なります。
和式トイレのメリットとデメリット
和式トイレは、節水効果があるというメリットがあります。従来の洋式トイレに比べ、和式トイレは少ない量の水で流せるため、水の無駄を減らすことができます。また、節水効果は環境面にもプラスとなります。
さらに、和式トイレは排泄姿勢による健康面の改善ももたらします。座位で行うことで、おなかや腰にかかる負担が軽減され、排便がスムーズになることがあります。このことは便秘や痔の予防にも役立ちます。
一方で、和式トイレの使い方には慣れるまでの時間がかかるというデメリットもあります。外国人や初めて和式トイレを利用する人にとっては、正しい姿勢や使い方を身につけるまでに時間と練習が必要です。しかし、慣れれば簡単に利用できるようになります。
和式トイレは、節水効果があり環境にも配慮できるというメリットと、使い方に慣れるまでの時間がかかるというデメリットがあります。使用する場合には、使い方をしっかりと理解し、適切な姿勢で利用することが重要です。
和式トイレの重度な詰まりの対処が難しい理由
和式トイレが詰まった場合に、ご自身で対応できる場合と対応が困難な場合とがあります。
そして、対応が困難な状況の場合には洋式トイレよりも大がかりな工事が必要となるケースが多々あります。
その最大の理由は、和式トイレは取り外しができないためです。
つまり、洋式トイレであれば、頑固なつまりであっても便器を外して配管内を作業したり便器を交換したりすることができます。
便器の交換ができない和式トイレの場合には、いったん便器を取り壊した上で、作業しなければならないケースがあります。
以上をふまえて、詰まりの程度の確認や対処の可否を個々の状況に応じて考えることが重要です。
和式トイレがつまる原因
和式トイレの詰まりは、普段の使用方法に注意しないことや、トイレットペーパーの使用量を調整できていないことが原因となります。また、水を節約しすぎることも注意が必要です。
そもそも、和式トイレは日本の伝統的なトイレであり、そのシンプルな構造と節水性から長い間愛されてきました。新築時には洋式トイレが主流となってきている現代においても、公共施設や古い建物には和式トイレが残っています。
その和式トイレには、洋式トイレと比較して詰まりやすい部分や特有の構造があるため、その原因と対処法を理解することが重要です。
便器内のつまりの原因
和式トイレの便器内での詰まりの大きな原因として、大量のトイレットペーパーや排泄物が挙げられます。和式トイレは、水流が効果的に流れず詰まりやすいため、一度に大量のトイレットペーパーを流すと詰まる恐れがあります。
洋式トイレに比べ、和式トイレの排水部は比較的大きく設計されていますが、それでも過度な量が一度に流されると詰まりのリスクが高まります。
トイレットペーパーは必要な量を使い、こまめに流すことでトラブルを防ぐことができます。
さらに、水を節約しすぎないようにも注意が必要です。和式トイレは、水を流すことで排泄物を排出するため、水の量が少ないと詰まりやすくなります。適切な水量で流し、トイレの清潔を保つようにしましょう。
床下排水管と下水マスの問題
床下の排水管や下水マスに詰まりが生じる原因は、大きく分けて経年劣化によるものと物落としによるものが考えられます。
経年劣化により、排水管の勾配が取れなくなったり、管内がざらつくことで異物が引っかかりやすくなることがあります。
一方、下水マスが破損すると、木の根などが侵入し、詰まりの原因となることがあります。
和式トイレの詰まりの程度と対処の可否
和式のトイレのつまりの程度は、症状や状況によって推測することが可能です。
この章では、トイレの水の流れ方から詰まりの程度・対処の可否について紹介した上で、つまりの対策について最後にまとめています。
つまりの程度(軽度・中程度・重度)
和式トイレは、軽度~中度であればご自身でも対処できる可能性があります。その目安を簡単に解説します。
軽度
軽度の和式トイレの「つまり」は、ふだんよりも少し水が流れにくい程度の症状を指します。
水を流したときに、ふだんよりも長い時間をかけて「スー」っと水が引いていくイメージです。
この状況の場合は、配管内のつまりが水の流れを妨げている状態です。
完全に詰まっているわけではないため、ラバーカップなどでつまりの原因をしっかりと除去すれば、再びふだん通り使用できるようになる可能性が高いでしょう。
放置しておくと「つまり」の程度が悪化することもあるため、早急な対応が必要です。
中程度
中程度の「つまり」は水が引くまでに時間を要する状況を指します。
状態としては、軽度の「つまり」の延長線上にありますが、つまりが配管内でより大きな部分を占めているケースです。
中程度のつまりの場合には、市販のラバーカップなどでは改善できないケースもあるでしょう。
薬剤の使用などを組み合わせてしっかりと詰まりの原因を解消する必要があります。
配管内につまりの原因となる尿石や汚れなどが蓄積している可能性もあるため、専門業者に点検や配管洗浄を依頼した方がよい状況も考えられます。
重度
水が全く流れないときには、重度の詰まりであると考えられます。
トイレットペーパーや排せつ物の詰まりの場合には、一定時間待つことで少しずつ流れがよくなるケースもありますが、ラバーカップを使用したり1~2時間程度待ったりしても状況が変わらない場合には、ご自身でで対処できる可能性は低いでしょう。
不都合な状態をいち早く解決するためにも、水道修理業者に依頼しましょう。
和式トイレが詰まったときの判断ポイント
続いて、和式トイレが詰まった際に自分で解消できるかどうかの判断ポイントを紹介します。
自分で直すのが難しい場合は業者を呼ぶことがおすすめです。
そのまま放置しても問題ないケース
トイレが詰まった場合、すぐに対処することが最良とされていますが、すぐに手を打つ必要がないケースも存在します。
水がスーッと引いていく場合
水がサッと引いていく場合、紙類や小さな異物がつまっている可能性が高いです。この場合、ラバーカップなどで軽くポンピングしてみることで、自身で解消できることが多いです。
若干水位が上がっているなどの特徴があれば、このパターンである可能性大です。
ゆっくりと時間をかけて流れていく場合
水がゆっくりと流れるケースでは、比較的小さな異物が原因であることが考えられます。
しばらく放置しても改善しない場合は、対処が必要ですが、即座に専門家を呼ぶ必要はないでしょう。
放置していても解消されないケース
どんな詰まりも放置するという選択肢はリスクが伴いますが、中には特に放置してはならないケースも存在します。
水がまったく流れず溢れる場合
和式トイレの水が便器内で溢れるような状態は、排水管が完全に塞がれていることを意味します。
この場合、自己判断での修理は危険であり、専門家への依頼が必要です。
物落としによる詰まり
携帯電話やメガネなどの大きな異物がトイレ内に落ちた場合、そのまま放置すると深刻な詰まりを引き起こすリスクが高まります。
和式トイレの場合は脱着作業がとくに困難であるため、専門家の介入が不可欠です。
和式トイレのつまり対策!6つの対処法を紹介
和式トイレが詰まった時の対処法を、一つずつ解説します。
軽~中程度の「つまり」の際には早めに対策をして状態を悪化させないことも重要です。
お湯を流す
排せつ物やトイレットペーパーが配管内に詰まっている際には、お湯を流すことで詰まりを解消できる場合があります。お湯の方が水よりも溶かす力が強いためです。
手順は非常にシンプルです。
<手順>
①灯油用ポンプなどを使用して和式トイレに貯まっている水を抜く
②排水口部分からお湯を注ぐ
このとき、40~50℃のお湯を使用してください。
熱湯を注いだ場合は、便器の破損につながることがあります。
薬剤を使用する
トイレの詰まりに効果的な薬剤もあります。
薬剤は、汚れの種類によって使い分けが必要です。
薬剤を使用する際には、以下の手順でおこないます。
<手順>
①トイレの水を抜く
②薬剤を注ぐ
重曹+クエン酸を注ぐときには、必ず重曹を入れてからクエン酸を足す
③お湯を流す
④一定時間待ってから、つまりの解消を確認する
待機時間は薬剤に寄って異なるため、薬剤のラベルを確認しましょう。
ラバーカップ(和式トイレ用)を使用する
和式トイレ用のラバーカップを使用して、トイレの詰まりを除去することもできます。
和式用トイレ用のラバーカップは、洋式トイレ用のものと大きな違いはありません。
和式トイレの配管の太さに合わせて、ラバー部分の直径が大きく作られているという特徴があります。
ラバーカップの使用手順は以下のとおりです。
<手順>
①排水口にラバーカップの先端部分を密着させる(空気が漏れないように)
②ゆっくりと押し込み、真空状態にする
③勢いよく引き上げる
④つまりが解消するまで繰り返す
ラバーカップが有効となるのは、排せつ物やトイレットペーパーなどの水に溶けるものが詰まっている場合です。
固形物が詰まっているときや重度なつまりには効果が期待できないどころか、逆に悪影響になってしまうこともあるため、要注意です。
ワイヤーブラシ(和式洋式共用)を使用する
和式洋式共用のワイヤーブラシを使用することで、トイレの詰まりを解消できる場合もあります。
ワイヤーブラシとは、長いワイヤーの先端の先に清掃用のブラシがついた、配管清掃用の道具のことです。
和式トイレの排水口部分から先端を入れて、ハンドルを回していくとどんどんブラシが奥に入っていきます。
つまりの箇所まで届いたら、上下前後に動かすとつまりをほぐすことができます。
ワイヤーブラシは、排せつ物・トイレットペーパー・嘔吐物など固形ではない詰まりの要因に対して有効です。
洋式トイレ用ではなく和式洋式共用のワイヤーブラシを選ぶように注意しましょう。
また、ワイヤーブラシ使用時には先端部分が配管などを傷つけてしまうこともあります。配管の損傷が生じると修繕費用が高額になるため、慎重に対応してください。
ポリ袋を使用する
ポリ袋を使用して解消できる場合もあります。
詰まりが起きた場合、まずはポリ袋を準備してください。ポリ袋は柔軟性があり、詰まりを押し流す効果があります。トイレの便器にポリ袋を差し込み、詰まりを押し流します。
この方法は簡単ですが、詰まりの原因が根本的に解消されない場合もありますので、注意が必要です。
プロの業者に依頼する
最後に、プロの業者に依頼する方法です。
詰まりが根本的な原因である場合や繰り返し詰まりが起きる場合は、プロの業者に依頼することを検討してください。プロの業者は専門知識や経験を持っており、効果的に詰まりを解消することができます。
ただし、業者に依頼する場合は費用やスケジュールの調整も必要ですので、注意が必要です。
以上、詰まりが起きた場合の対処方法について説明しました。詰まりが起きた場合は、まずは自分で解消してみてください。それでも解消できない場合は、プロの業者に依頼することも検討してください。解消方法には注意が必要ですが、適切な方法を選ぶことで快適なトイレ環境を保つことができます。
和式トイレの重度な詰まりは解体が必要なケースも!?
和式トイレの詰まりが重度な場合には、トイレの解体が必要となるケースもあります。
作業内容や判断についてはプロの業者でなければ判断がつかないため、まずは水道修理業者を手配して見積もり依頼をしましょう。
解体をしなくても対処できるケース
ご自身での対処が難しいケースであっても、高い技術力と専門工具をもつトイレ修理業者であれば、スムーズにつまりの除去をできる場合があります。
例えば、ローポンプというトイレ詰まり対策道具は、一般的なラバーカップの何倍もの吸引力があります。
当社水道修理ルートの場合、ローポンプでの作業は5,500円~です。
そのほかにも、業務用のワイヤーブラシや高圧洗浄などにより、解体をせずに解決できる可能性があります。
解体工事に要する時間と費用相場
水道修理業者の工具や技術をもってしても手軽に対処が出来ない場合には、解体工事をおこなう必要があります。
一般的にトイレの撤去と新たなトイレの取り付け自体は、半日から1日程度を要する作業です。
ただし、壁紙や床の張り替え・ウォシュレットの取り付けなどの工事をおこなう際には、2~5日程度の日数を要します。
費用についても、業者の料金体系にもよりますが、和式トイレの取り壊しのみで2万円程度の費用がかかります。
さらに、つまり対応の作業費・新しい便器の代金・取り付け工事費用などがかかります。
詳細は、水回り工事業者やリフォーム業者に見積もりの上、相談してください。
新しい和式トイレの選び方
トイレを解体した後、和式トイレを選ぶ際には、機能性や設置場所、メンテナンスのしやすさなどを考慮することが重要です。
まず、機能性を重視することが大切です。トイレの機能には、節水機能や便座加熱機能などがあります。
快適なトイレタイムを過ごすために、自分のニーズに合った機能を選びましょう。
次に、トイレのサイズや設置場所を考慮することも重要です。トイレは家の中で使うものなので、スペースや間取りに合わせて選ぶ必要があります。
特に狭い場所に設置する場合は、コンパクトなサイズのトイレを選ぶと良いでしょう。
また、メンテナンスのしやすさも確認しましょう。トイレは日常的に使用する場所なので、清掃やパーツの交換がしやすいトイレを選ぶと良いです。
また、便器の排水口や水漏れの心配も少ない設計のトイレを選ぶことも大切です。
和式トイレの選び方を考える際には、機能性、設置場所、メンテナンスのしやすさをしっかりと確認しましょう。自分のニーズに合ったトイレを選ぶことで、快適なトイレ環境を実現することができます。
詰まりを予防するためのケア方法
和式トイレの詰まりを予防するためには、普段からの定期的な掃除が欠かせません。排水口には髪の毛やゴミが溜まりやすいので、毎日のように掃除をすることが重要です。
また、トイレブラシを適切に使用することもポイントです。トイレの中の汚れは、ブラシでしっかりとこすることで効果的に落とすことができます。
しかし、力を入れすぎるとトイレの中を傷つけてしまうこともあるので、注意が必要です。
さらに、専用の清掃剤を使って汚れを取り除くことも大切です。一般的な洗剤ではなかなか落ちない頑固な汚れや臭いには、トイレ専用の清掃剤を使用しましょう。
効果的な清掃剤は、汚れを溶かして除去してくれます。
これらのケア方法を定期的に行うことで、トイレの詰まりを予防することができます。大切なのは、日々の掃除を怠らずに行うことです。詰まりが起きる前に予防的なケアを行いましょう。
詰まりのトラブルから解放され、快適なトイレ環境を保ちましょう。
和式トイレのメンテナンス方法
水漏れのチェックを定期的に行おう
和式トイレのメンテナンスをする際には、まず水漏れのチェックを定期的に行いましょう。水漏れが起きていると、水の無駄遣いにもつながりますし、場合によっては床などに水が溢れでしまう恐れもあります。
水漏れのチェックは、タンクや配管に水が漏れていないかを確認することが必要です。タンクや配管の周りをよく観察し、異常があった場合は早めに修理するようにしましょう。
また、チェックの際には手が濡れてしまうこともあるので、注意が必要です。
タンク内部の清掃を定期的に行おう
和式トイレのメンテナンスの一環として、タンク内部の清掃も定期的に行いましょう。
タンク内部には水や汚れが溜まりやすく、そこから異臭や菌の繁殖などが起こる可能性があります。清掃する際には、タンク内の水を一度抜いてから、ブラシや洗剤などを使用して汚れを取り除きます。
タンク内部は細かな部分が多く、手間がかかるかもしれませんが、定期的に行って清潔な状態を保ちましょう。
配管の詰まりを予防しよう
和式トイレのメンテナンスでは、配管の詰まりを予防することも重要です。
特に、トイレットペーパーや排泄物などが原因で詰まりが生じることがあります。詰まりを予防するためには、適量のトイレットペーパーの使用や、排泄物以外のものを流さないようにすることが必要です。
また、定期的にパイプクリーナーを使用して配管を洗浄することも効果的です。これらの対策をしっかりと行っておくことで、配管の詰まりを防ぐことができます。
以上が、和式トイレのメンテナンス方法についての説明です。水漏れのチェック、タンク内部の清掃、配管の詰まり予防という3つのポイントに注意しながら、定期的なメンテナンスを行っていきましょう。
まとめ
和式トイレの構造は洋式トイレとは異なるため、対処法も若干異なります。
最大の違いは、ラバーカップなどのトイレ対策グッズに関して和式専用のもの(もしくは和式洋式共用のもの)を選択する必要があるということと、便器の取り外しができないことです。
和式トイレであっても、軽度~中程度の詰まりの場合には、ラバーカップなどで比較的簡単に対応できます。
ご自身での対応が難しい場合には、信頼できる水道修理業者に依頼をしましょう。
当社水道修理ルートは、技術力の高さと顧客目線でのサービスを強みとしている水道修理業者です。
和式トイレのつまり対策は、情報も少なく不安を感じる方も多いかと思いますが、状況を確認したうえで分かりやすく丁寧な説明をおこないます。
そして、作業手順や見積もりなどを提示したうえで、作業を進めていただくか否かを検討していただく流れとなります。
和式トイレが詰まって困っている方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。