トイレの水がうまく流れずに水位が上がってしまうとき、大半のケースでは排水路の「つまり」などのトラブルが生じています。
しかし、トイレの「つまり」が生じているとき、原因や具体的な症状がいつも同じとは限りません。
水回りのトラブル時の対応で重要なことは、原因を特定して適切な対処をすることです。
したがって、トイレの水位が上がる原因を正しく理解することは、被害を最小限に抑えることにつながります。
この記事では、トイレの水位が上がる原因を、水道修理業者として21年以上の実績を持つ水道修理ルートが、プロの水道修理業者の視点でお伝えします。
さらに、直し方や注意点についても解説しているので、トイレの水位が上がって困っている方はぜひ参考にしてください。
目次
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トイレの水位が上がる原因・理由とは?
トイレの水位が上がる際に、最も重要なことは原因の特定です。
大きく分けてトイレの水位が上がる原因・理由は、2つの理由があります。
大半の原因は「つまり」
トイレを流した際に水がうまく流れずに水位が上昇する原因の大半は、「つまり」です。排水管が詰まると、水の流れが阻害されてしまい、水位が上がってしまうことがあります。
トイレットペーパーなどが排水路で詰まりかけている
詰まっている物が完全に排水路を塞いでいるわけではないものの、一部トイレットペーパーや排せつ物などが詰まっている状態の際は、水が少しずつゆっくり流れます。
トイレのつまりの初期症状の一つです。
トイレットペーパー・排せつ物・異物が完全に詰まっているケース
完全に物が詰まっている場合には、まったく水が流れません。
水を流そうとするとそのまま水位が上がり、便器内いっぱいのところまで上昇します。
2回・3回と水を流そうとすると、そのまま便器からあふれ、便器の周囲が水浸しになるため注意してください。
大雨による水の逆流のケースも
排水路に「つまり」が生じていない状況でも、大雨などの際には水位が上昇することがあります。
排水升に水があふれてキャパを超えると、排水路を逆流してくるためです。
大雨による水の上昇については、「台風や大雨でトイレが流れない!逆流するリスクに備えるための対策」にて詳しく解説しています。
大雨が原因で水が流れにくくなっている方は、こちらの記事をぜひ参考にしてください。
また複数の原因が組み合わさることもあります。例えば、トイレの流れが悪く、さらに排水管が詰まっている場合、水位がますます上がってしまう可能性があります。トイレの水位が上昇すると、トイレの使用が制限されるだけでなく、場合によっては水漏れや浸水のリスクもあります。
ですから、早めに原因を突き止めて対策を取ることが重要です。定期的なメンテナンスや問題発生時の迅速な対応がトイレの水位が上がる原因を取り除く手段となるでしょう。
トイレの水位が上がっている場合に自分でできる5つのつまり対策
水位が上がってしまったとき、冷静に対処をすれば被害を最小限に抑えられます。
トイレの流れを確認し、排水管を掃除することで解決することもあります。排水管が詰まっている場合は、専用の掃除グッズを使用して詰まりを取り除きましょう。
また、給水弁が正常に働いていない場合は、点検が必要です。給水弁が閉まっているか、破損しているかを確認し、必要な修理を行ってください。
この章では、具体的な対策とそれぞれの手順について解説します。
2~3時間程度待つ
「つまり」の原因が、トイレットペーパーや排せつ物の場合には、時間が経過することで解消する場合があります。
これらの本来トイレに流せるものは、水に溶けるため、時間が経過すると自然に流れるようになることもあります。
ただし、自然に溶けて流れるようになるのは、軽度な「つまり」の場合のみです。
トイレットペーパーや排せつ物が詰まって、ご自宅につまり対策グッズがないときは、いったん2~3時間待ってみるという選択肢もあります。
流せるタイプのトイレクリーナーなどは、トイレットペーパーよりも溶けにくい特徴があります。
待つ時間は2~3時間を目安とすることと、トイレットペーパー・排せつ物以外のものが詰まったときには待たずに他の対策を検討することの2点が重要です。
重曹・酢を利用する
尿石のつまりに対して効果的な手法が、重曹や酢などの酸性のものを流す方法です。
尿石とは
尿に含まれるたんぱく質などの物質がかたまったもので、トイレのにおい・汚れ・つまりなどの原因となるものです。
トイレのにおいが気になるときや長年トイレのメンテナンスをされていないご家庭などは、排水管のなかで尿石が固まっている可能性があります。
尿石はアルカリ性であるため、酸性の重曹や酢をトイレに注ぐと分解されてつまりが解消される可能性があります。
具体的な方法は、以下のとおりです。
<手順>
①酢を100cc程度(コップ半分程度)、便器に注ぐ
②重曹を50cc程度(コップ4分の1程度)、便器に注ぐ
③便器の半分くらいの高さまで、45℃前後のお湯を入れる
トイレ用の酸性薬剤を使用した場合も同様の効果を期待できます。
うまくいけば、30~60分程度でつまりが解消します。
ラバーカップを使用する
ラバーカップ(スッポン)を使用して、「つまり」の対処をする方法もあります。
ラバーカップが有効なケースは、トイレットペーパーや排せつ物などの水に溶けるものが排水路内に詰まったケースです。
ラバーカップの使用手順は、以下のとおりです。
<手順>
①便器の周りを養生する
②ゴム手袋を装着して、ご自身の体が汚れないようにケアをする
③ゆっくりと先端部分を排水口部分に押し込み、力をいれて引き抜く
④同様の作業を3~4回繰り返す
⑤無事につまりが取れたら、ゴムの部分を丁寧に水洗いする
ラバーカップでつまりが解消するときは、水が通るときにボコボコと空気が出てきます。
ただし、水に溶けない異物が詰まっているときにラバーカップを使用すると、逆に奥まで押し込んでしまうことがあります。
真空式パイプクリーナーを使用する
真空式パイプクリーナーは、ラバーカップと同様の家庭用の「つまり」対策グッズです。
パイプクリーナーとの違いは、吸引力が強いことと水がたまっていない状態でも使用できることです。
真空式パイプクリーナーの利用シーンは、ラバーカップとほぼ同じですが、ラバーカップでは対応できない頑固なつまりや軽度な異物のつまりに対処できる可能性があります。
使用手順は以下のとおりです。
<手順>
①便器の周りを新聞紙などで養生する
②ゴム手袋を装着する
③トイレ用の先端部分を装着し、排水口部分にゆっくりと押し当てる
④ハンドルを引いて、吸引する
⑤使用後は、先端部分を丁寧に洗浄する
真空式パイプクリーナーは、ホームセンターやインターネットショップなどで販売されています。
ワイヤーブラシを使用する
ワイヤーブラシは、排水管などを洗浄するための器具です。
ワイヤーなので、排水路の奥まで届くことが大きな特徴です。先端部分で汚れをかき出す仕組みですが、距離が長くなればなるほど力が伝わりにくくなります。
ワイヤーブラシの使用手順は以下のとおりです。
<手順>
①便器の周りを養生する
②トイレの排水口部分から、ワイヤーブラシの先端を入れる
③「つまり」の部分に当たったら、柄の部分を回す
「つまり」がほぐれて水が通ったら、少しずつ水が流れます。
ワイヤーブラシ、は基本的にトイレットペーパーや排せつ物などの水溶性の物に使用してください。
これらの対処法を行うことで、トイレの水位が上がるという問題を解決することができます。大切なのは、早めの対応と正確な判断です。トイレの水位が上がった場合は、冷静に対処することを心がけましょう。
水位が上がった時のトラブル解決方法
水位が上がっているときの安全対策について説明します。水位が上がっている場合は、冷静に対処することが大切です。
まず電源を切り、水の供給を止めます。そして漏電や感電の危険を避けるために、湿った手で触れないように注意しましょう。また、必要であれば、非常用のポンプを使用して水を排出することも考えましょう。
次に、水位が上がった原因を特定する方法について説明します。まずは、水位が上がる前の状態を思い出し、何が原因かを考えることが重要です。例えば、供給される水量が増えたことや、排水の問題があることが考えられます。こうした問題点を特定することで、解決策を見つけることができます。
最後に、トイレの水位を正常に戻す方法を説明します。トイレのタンクの水位を確認しましょう。もし、水位が高すぎる場合は、タンク内のフロート調整弁を調整する必要があります。
また、トイレの詰まりが原因で水位が上がっている場合は、便器に水を注ぐことでトイレを流すことができます。
以上が水位が上がった時のトラブル解決方法です。様々な原因や対策を考慮しながら、安全にトラブルを解決していきましょう。
トイレの水位が上がっているときのNG対策とは?
トイレの水位が上がってきたときに、おこなうべきではない対応もあります。
この章では、多くの方がしてしまいがちな対応を解説します。
原因を調べないまま放置する
トイレットペーパーや排せつ物が詰まっている時には、2~3時間待つと自然につまりが解消することもありますが、つまりの原因や程度によってはつまりは解消しません。
逆に、放置して対応が遅れることによって不自由な状態が長く続いたり、「つまりかけ」の状態から重症化する可能性があります。水位が少し上がって水が流れにくくなった時に、原因を探すように心がけましょう。
また、トイレの水位が上がったまま放置すると水漏れの原因となることがあります。水位が上がりすぎるとトイレの排水口から溢れてしまい、床や壁に水が浸透してしまう可能性もあります。そのため、水位が上がっていることに気づいたら早めの対処が必要です。
原因に見合っていない対処法を取る
「トイレが詰まったら無条件にラバーカップで対応」といったように、原因を考えずにラバーカップを使用してしまいがちです。
しかし、誤った対応方法をしても効果は期待できません。
むしろ、状況が悪化することもあります。
原因に合った対応をすることを徹底し、原因が分からないときには専門の水道修理業者に依頼しましょう。
トイレの取り外しにチャレンジする
異物のつまり対策として、便器の着脱が必要になることがあります。
ただし、便器の着脱は基本的には難易度が高いことを理解し、ムリに対応しないようにしましょう。
取り外しだけではなくて、元通りに取り付けをおこなわなくてはならないためです。
トイレの水位上昇の対策はプロの業者にも依頼できる
トイレの水位の上昇は、原因・程度によっては十分にご自身で対応できます。
ただし、状況によっては、どうしても対応できずに困ってしまうこともあるでしょう。
この章で紹介する状況に陥った時には、プロの水道修理業者に依頼をしても良いかもしれません。
原因がまったくわからない
水位上昇の原因がまったく分からないときには、ヘタに対応をすることで状況が悪化する可能性があります。
原因が分からないときは、やみくもに動いて状況を悪化させるよりも最初から業者に依頼した方が費用も時間も安く済ませられる場合があります。
できる対策をしても効果がみられない
ラバーカップなどでできる限りの対策をとっても、つまりがびくともしないこともあります。
プロ業者の技術や工具があれば、大半の「つまり」は解決できるため、相談してみるとよいでしょう。
自分自身で対処をすることに抵抗を感じる
トイレのつまり対策をすることに、心身ともに負担を感じる方もみえるでしょう。
また、つまりの対策をすることにより、感染症などのリスクが高まる状況も考えられます。
状況によっては、ムリをしないという判断も大切です。
早急・確実に改善したい
トイレの水位の問題が続く場合や、自己修理が難しい場合は、専門家に依頼することをおすすめします。「長時間格闘しても治らなかったのに、専門業者に依頼をすると数分でつまりが解消した」という事例は数多くあります。
また、水位上昇などの詰まりやすくなっている状況では、毎回対応してもつまりを繰り返すということもあります。
早く確実に対処を依頼したい方は、専門家に対策を依頼しましょう。専門家が適切な対処方法を提案してくれるはずです。
トイレの水位が上がるときの予防対策
定期的な清掃とメンテナンスが重要
トイレの水位が上がる原因としては、詰まりや故障が考えられます。そのため、定期的な清掃とメンテナンスが重要です。トイレの便器や排水口を定期的に清掃し、詰まりを予防しましょう。
また、配管やバルブの状態も確認し、必要な場合は修理や交換を行いましょう。定期的なメンテナンスによって、トイレの水位が上がる問題を未然に防ぐことができます。
異物の流入を防ぐために注意が必要
トイレの水位が上がる原因の一つとして、異物の流入が考えられます。衛生的にも問題があり、トイレの水位を上げてしまう原因となります。そのため、異物の流入を防ぐためには注意が必要です。トイレに流してはいけないものや、適切な使用方法を周知し、異物の流入を防止しましょう。
また、外部からの異物の流入を防ぐために、トイレのドアや窓をしっかりと閉めることも重要です。
水圧を調整し適切に給水する
トイレの水位が上がる原因の一つとして、水圧の問題が考えられます。水圧が高すぎると、トイレの水位が上がってしまいます。
そのため、水圧を調整し適切に給水する必要があります。配水タンクやバルブの調整を行い、適切な水圧で給水することが重要です。水圧を適切に調整することで、トイレの水位を安定させることができます。
以上、トイレの水位が上がるときの予防対策について説明しました。定期的な清掃とメンテナンス、異物の流入を防ぐこと、水圧の調整と給水の適切な管理が大切です。
これらの対策をしっかりと行うことで、トイレの水位が上がる問題を予防し、快適なトイレ環境を保つことができます。
まとめ
トイレの封水は、一定の水位になるように設定されているため、いつもよりも水位が高い時には異変が生じています。
もし、水位の変化に気がついたら、原因を確認して適切な対応を取りましょう。
原因として考えられるのは、トイレの「つまり」か大雨による排水升からの逆流です。
特に注意しなくてはならないのは、誤った対処法を取らないことです。
お困りの際には当社水道修理ルートにて、電話の無料相談にも対応しているので、ぜひ気軽にお電話ください。